38.生徒会長は俺のモノ!(R)
1.下戸エコ体質(新連載)
あああっ! っあちゃ〜〜!!
俺はまたまたやってしまったのか?
この頃は気を付けていたつもりだったのにな・・・。
西嶋由貴(ニシジマヨシタカ)は目覚めるや否や、目に飛び込んできた傍らで眠る雄々しくキリリと整った男の横顔に、昨晩のあれこれを走馬灯のように思い出しては、頭を抱える。
背中など、初夏に差し掛かったとはいえ、決して寝汗だといえぬ汗で、しっとりと濡れている。しかも、言うならば、今瞬時にして吹き出してきた汗だ。
それこそ、そうなった一部始終を、由貴自身良く把握している証に他ならない。
ああ・・。けど・・、これはマズったな・・・・・。
由貴は都内のゼネコンに勤務する、顔が良いくらいの極々普通のサラリーマンである。いや、まだ入社4年目なのだから、新入社員に毛が生えたくらいの平々ヒヨコ社員というあたりが相応しい。
ゆえに、大した実績も上げていなければ、上に言われるがまま日々の仕事をこなしているだけだ。
しかも、この春、入社当時より世話になっていた資材部、しかも土木部第二工事課担当から、人事異動で建築部工務課に移ってきたばかりなのだ。だから、折角この3年間で覚えてきた仕事も、ほとんどといって役に立たないくらい、出直しの1からスタートを切ったところなのだった。
とはいえ、仕事は世間一般の有り大抵としたそんな感じなのだったが、由貴にはそれが二の次となるくらい、精を出している他事がある。
女の子だ!
何と言っても、由貴も若い。連日連夜とまではいかないものの、お金と暇が許す限り、社内外で合コン、ちょっとした飲み会を開いては、楽しい時間を謳歌している。
しかも、自分で言うのもなんだが、由貴は稀にいないイケメン具合だ。単にその時間を語らいに潰すだけに終わるのでなく、成果を出し女の子をお持ち帰りするのも少なくないという必勝具合だ。
そして、由貴は傍らの規則正しい寝息を上げる男の顔をしげしげと眺めながら、今流行りのウェーブがかった茶色み掛かった前髪を、煩そうに掻き揚げる。
やはり、それではっきりと現れた顔は、自他共に認める端正なものだった。
猫のように深く切れ上がった双眸。そのシャープさを甘く仕上げる、量や長さも十分にあるまつ毛。存在感のある鼻。さっぱりはしていないが、触れたくなるようなふっくらと厚みのある唇など、それぞれが出しゃばり自己主張しかねない程際立っているのが、不思議にもバランス良く一つにまとまっていて、ちょっとしたアイドルの風格だ。
いや、某美少年アイドル事務所や某有名俳優排出のグランプリ受賞者に名を連ねていたとしても不思議じゃない。それほど華ある顔立ちなのだ。
だから、どちらかと言えば、一般企業のサラリーマンをしている事の方が不思議に思えるくらいだった。
それなのに、只今! 引く手数多に押し寄せる女の子を差し置いて、傍らの男とこんな事になっているのだから、どうしようもない。
由貴は腹の底から絞り出すように、深く長いため息をはぁ〜〜っと吐き出す。
けれども、案の定とでもいうか、隣の男は昨晩の自分とのしつこいくらいのHに精根尽き、余程疲れ果てたのか、そんなため息一つではピクリとも動く気配がない。
見た目にも体力のありそうな体躯をしている男だが、相当に参っているようだ。
そうなのだ!! 昨晩はというと、想定外にもお持ち帰りをされたのは、この自分なのだった。
いや、正確に言えば、数滴の酒で酔っぱらった挙句、正義感強過ぎるこの男に絡みまくり、その上アパートに押し掛けて、飽く事のないHを散々と強請りまくったのだった。
本当、目の前のこの男に・・・。
とはいえ、彼は行きずりの見知らぬ男ではない。だから、性質が悪いとも言えるのだが、この男は由貴が良く知る同じ建築部の同僚なのだった。
名を長澤秀俊(ナガサワヒデトシ)と言って、社内でも1番かと謳われる程の美男中の美男だ。
しかも、由貴とはタイプの異なる、どちらかと言えば清潔感溢れた男性味ある容貌で、身長だって余裕で180cmを上回るモデルクラスの長身保持者なのだった。
しかも、その外見に加え、仕事も出来るのだから、非の打ちどころがない。
だから、将来のパートナー最有力候補として、自らの将来設計を視野に入れた社内女子の人気を欲しいままに集めている。
そう、他の追随を許さない! 社内きっての注目株男なのだった。
だから、女の子好きな由貴としては、どちらかといえば気に食わない存在であるのは間違いなく、彼を一方的に毛嫌いしては、今までは接点が出来るような親しい付き合いは、あまりしてこなかった。
けれども、それが今期の人事異動で大きく変わる事となったのだ。
というのも、この長澤は大学を建築工学系学部を卒業した技術職員で、今はその専攻学科だった建築設計をこの社の設計室で手掛けており、しいてはこの由貴の建築部設計課に籍を置いているのだった。
とはいえ、この業界、実務経験や資格が大切! まだ入社の浅い長澤だって、平社員だ。
だが、この長澤は既に1級建築士を取得している。
この資格は実務経験が必要だから、取得するには入社してからしか出来ない代物だ。
だが、この長澤はここの設計室で日々仕事をこなしながら、専門学校に通わずして、その最短の実務年数で見事合格したのだ。有能な男だ。
しかも、他にも付随した資格を山と取っているのだから、甚だ凄い。どちらかと言えば、それをいちいち管理する、公務の自分の方が大変なくらいだ。
だから、ゆくゆくは同社系列子会社に移籍したり、もしくは個人設計会社に転職。いや、自ら起業するような事もあるのかもしれない。
そんな彼と、工務課に異動してきてから、同じく担当する第一工事課の現場全般に於いて、その仕事を介して接する機会が多くなった。
とはいえ、自分達の土俵は異なる。
だから、大概は各々の現場所長を挟んでの繋がり程度であったし、折々の打ち合わせ会議に席を並べる程度であった。
余談雑談あり。
お時間ありましたら「続きを読む」以降を覗いて下さい。
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俺はまたまたやってしまったのか?
この頃は気を付けていたつもりだったのにな・・・。
西嶋由貴(ニシジマヨシタカ)は目覚めるや否や、目に飛び込んできた傍らで眠る雄々しくキリリと整った男の横顔に、昨晩のあれこれを走馬灯のように思い出しては、頭を抱える。
背中など、初夏に差し掛かったとはいえ、決して寝汗だといえぬ汗で、しっとりと濡れている。しかも、言うならば、今瞬時にして吹き出してきた汗だ。
それこそ、そうなった一部始終を、由貴自身良く把握している証に他ならない。
ああ・・。けど・・、これはマズったな・・・・・。
由貴は都内のゼネコンに勤務する、顔が良いくらいの極々普通のサラリーマンである。いや、まだ入社4年目なのだから、新入社員に毛が生えたくらいの平々ヒヨコ社員というあたりが相応しい。
ゆえに、大した実績も上げていなければ、上に言われるがまま日々の仕事をこなしているだけだ。
しかも、この春、入社当時より世話になっていた資材部、しかも土木部第二工事課担当から、人事異動で建築部工務課に移ってきたばかりなのだ。だから、折角この3年間で覚えてきた仕事も、ほとんどといって役に立たないくらい、出直しの1からスタートを切ったところなのだった。
とはいえ、仕事は世間一般の有り大抵としたそんな感じなのだったが、由貴にはそれが二の次となるくらい、精を出している他事がある。
女の子だ!
何と言っても、由貴も若い。連日連夜とまではいかないものの、お金と暇が許す限り、社内外で合コン、ちょっとした飲み会を開いては、楽しい時間を謳歌している。
しかも、自分で言うのもなんだが、由貴は稀にいないイケメン具合だ。単にその時間を語らいに潰すだけに終わるのでなく、成果を出し女の子をお持ち帰りするのも少なくないという必勝具合だ。
そして、由貴は傍らの規則正しい寝息を上げる男の顔をしげしげと眺めながら、今流行りのウェーブがかった茶色み掛かった前髪を、煩そうに掻き揚げる。
やはり、それではっきりと現れた顔は、自他共に認める端正なものだった。
猫のように深く切れ上がった双眸。そのシャープさを甘く仕上げる、量や長さも十分にあるまつ毛。存在感のある鼻。さっぱりはしていないが、触れたくなるようなふっくらと厚みのある唇など、それぞれが出しゃばり自己主張しかねない程際立っているのが、不思議にもバランス良く一つにまとまっていて、ちょっとしたアイドルの風格だ。
いや、某美少年アイドル事務所や某有名俳優排出のグランプリ受賞者に名を連ねていたとしても不思議じゃない。それほど華ある顔立ちなのだ。
だから、どちらかと言えば、一般企業のサラリーマンをしている事の方が不思議に思えるくらいだった。
それなのに、只今! 引く手数多に押し寄せる女の子を差し置いて、傍らの男とこんな事になっているのだから、どうしようもない。
由貴は腹の底から絞り出すように、深く長いため息をはぁ〜〜っと吐き出す。
けれども、案の定とでもいうか、隣の男は昨晩の自分とのしつこいくらいのHに精根尽き、余程疲れ果てたのか、そんなため息一つではピクリとも動く気配がない。
見た目にも体力のありそうな体躯をしている男だが、相当に参っているようだ。
そうなのだ!! 昨晩はというと、想定外にもお持ち帰りをされたのは、この自分なのだった。
いや、正確に言えば、数滴の酒で酔っぱらった挙句、正義感強過ぎるこの男に絡みまくり、その上アパートに押し掛けて、飽く事のないHを散々と強請りまくったのだった。
本当、目の前のこの男に・・・。
とはいえ、彼は行きずりの見知らぬ男ではない。だから、性質が悪いとも言えるのだが、この男は由貴が良く知る同じ建築部の同僚なのだった。
名を長澤秀俊(ナガサワヒデトシ)と言って、社内でも1番かと謳われる程の美男中の美男だ。
しかも、由貴とはタイプの異なる、どちらかと言えば清潔感溢れた男性味ある容貌で、身長だって余裕で180cmを上回るモデルクラスの長身保持者なのだった。
しかも、その外見に加え、仕事も出来るのだから、非の打ちどころがない。
だから、将来のパートナー最有力候補として、自らの将来設計を視野に入れた社内女子の人気を欲しいままに集めている。
そう、他の追随を許さない! 社内きっての注目株男なのだった。
だから、女の子好きな由貴としては、どちらかといえば気に食わない存在であるのは間違いなく、彼を一方的に毛嫌いしては、今までは接点が出来るような親しい付き合いは、あまりしてこなかった。
けれども、それが今期の人事異動で大きく変わる事となったのだ。
というのも、この長澤は大学を建築工学系学部を卒業した技術職員で、今はその専攻学科だった建築設計をこの社の設計室で手掛けており、しいてはこの由貴の建築部設計課に籍を置いているのだった。
とはいえ、この業界、実務経験や資格が大切! まだ入社の浅い長澤だって、平社員だ。
だが、この長澤は既に1級建築士を取得している。
この資格は実務経験が必要だから、取得するには入社してからしか出来ない代物だ。
だが、この長澤はここの設計室で日々仕事をこなしながら、専門学校に通わずして、その最短の実務年数で見事合格したのだ。有能な男だ。
しかも、他にも付随した資格を山と取っているのだから、甚だ凄い。どちらかと言えば、それをいちいち管理する、公務の自分の方が大変なくらいだ。
だから、ゆくゆくは同社系列子会社に移籍したり、もしくは個人設計会社に転職。いや、自ら起業するような事もあるのかもしれない。
そんな彼と、工務課に異動してきてから、同じく担当する第一工事課の現場全般に於いて、その仕事を介して接する機会が多くなった。
とはいえ、自分達の土俵は異なる。
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37.生徒会長は俺のモノ!(R)
46.宝珠の夢
イセリーニエはこの高台まで這い上がろうとする能力者の力を次々に奪い取っては、その侵入を未然で塞ぐ。
けれども、いくら抗戦してもキリがない。
心の真髄からアシュリーニエの洗脳にどっぷりと浸っている彼らには、数段上の相手に挑むのに抱くであろう恐怖以上に、自らがこのイセリーニエの妨げとなりうる事の方が重要、且つ至福なのだ。
だから、さすがのイセリーニエも、あまりにもの多勢に無勢なこの尽きはしない攻防戦に、手一杯となっている。
そして、その後方で成す術もなく見守るだけしかない自分に、ミュルゼンは只、歯痒さを感じては己の不甲斐なさに恥じ入るばかりである。
ああ、イセリーニエは、自分を必要な存在だと言ってくれたけれども・・・。
こんな場に於いて、自分は何も足しにもならない。
いや・・・・・。この闘いが激しさを増せば、イセリーニエの負担となるだけに違いない・・・。
せめて暴走する事無く、ほんの少しでも役に立てれば良いのに・・・。
ああ、不甲斐ない・・。何て無能なのだろう・・・。
せめて・・・、イセリーニエの足手纏いだけにはなりたくない・・・。
けれども、いつだって状況は無常にも悪い方へと転がっていく! それが仕掛けられたものであるなら、尚更だ。
イセリーニエの応戦に応えてか、はたまた単なる主の気まぐれか、それとも他に理由があっての事か・・・。
二人の前にアシュリーニエが姿を現す。
空間を移動しやってきたアシュリーニエは、歪められた異空間の入り口から突如としてその姿を現わすると、身に纏った黒いマントをバサバサと翻しながら、イセリーニエが立つまさにこの図書館前の浮き上がった広場上に足を下す。
やはりアシュリーニエとイセリーニエは、腐っても血を分けた兄弟! どことなく似通った面影を覗かせてはいる。
しかしながら、敢えて言うならば、年長者であるアシュリーニエの方が、若干老けた面持ちをしている。中でも特に眉間の間に刻まれた皺は濃く深く、この戦々恐々とした世界に君臨し続けてきた男の苦悩の片鱗を感じさせる。
しかも、イセリーニエとは異なる深い土茶けた髪が、この世での兄弟の“光と影”を示しているかのようで、二人が良く似た面立ちであるとはいえ、イセリーニエには感じられないほの昏く冷たい闇の醸し出しているのが、際立つ印象である。
そして、イセリーニエを見据えたその視線は鋭く、好戦的であると言う他ない。二人の間には、兄弟の縁あって無きが如しに感じられるばかりだ。
とはいえ、アシュリーニエ自身がこの場に姿を現したのは、それ故だ!
彼らが血を分けた兄弟であるからという理由は欠かせようがない。血を分けた兄弟であるからこそ、道が分かれた今! 止めを刺すなら“自らの手で”というのが、兄心として本当のところなのだろう?
アシュリーニエも自分が仕向けた住民や能力者が取るに足らない者だという事は、重々承知の上の事で、只イセリーニエの出方を様子見していただけに過ぎない。
それでも、彼らはアシュリーニエの予想を裏切り、それ以上に役に立たない存在だった。どれだけ数を用意したところで、イセリーニエの能力も心身すらも弱らす事も出来なかった。
だが、その誤算など取るに足らない。
こうして端から自分が出向くつもりでいたのだから、それは一種の余興のようなものだ。
そして、アシュリーニエにもたらされる結果は、何一つ変わらなかったに違いない。
だから、眉一つ微動だにせず、アシュリーニエはその傲岸不遜ともいえる態度そのままで、イセリーニエに対峙する。
「イセリーニエ、久しいな・・・。そして・・、相変わらずというところか・・・」
鼻にかけたような笑いを付け足し、さも忌々しいとばかりにそう呟く。
「あなたも、お変わりなく・・・」
「それは褒め言葉として取っておこう・・・。だが、私自らがここに来たからには、もはやお前の好きにはさせはしまい!!」
高らかに宣言したかと思うと、アシュリーニエは魔方陣を開き、そこから一筋の剣を取り出す。そして、イセリーニエに向かってその矛先を翳すと、“お前も剣を取れ”とばかりに、その無精ひげの生えた顎をしゃくらせる。
この作品はとても難産で、更新があきがちで、申し訳ないです。
それでも、word(A4縦書き)で136pに到達いたしました。
そして、完結に向けて、何とか頑張ります!
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けれども、いくら抗戦してもキリがない。
心の真髄からアシュリーニエの洗脳にどっぷりと浸っている彼らには、数段上の相手に挑むのに抱くであろう恐怖以上に、自らがこのイセリーニエの妨げとなりうる事の方が重要、且つ至福なのだ。
だから、さすがのイセリーニエも、あまりにもの多勢に無勢なこの尽きはしない攻防戦に、手一杯となっている。
そして、その後方で成す術もなく見守るだけしかない自分に、ミュルゼンは只、歯痒さを感じては己の不甲斐なさに恥じ入るばかりである。
ああ、イセリーニエは、自分を必要な存在だと言ってくれたけれども・・・。
こんな場に於いて、自分は何も足しにもならない。
いや・・・・・。この闘いが激しさを増せば、イセリーニエの負担となるだけに違いない・・・。
せめて暴走する事無く、ほんの少しでも役に立てれば良いのに・・・。
ああ、不甲斐ない・・。何て無能なのだろう・・・。
せめて・・・、イセリーニエの足手纏いだけにはなりたくない・・・。
けれども、いつだって状況は無常にも悪い方へと転がっていく! それが仕掛けられたものであるなら、尚更だ。
イセリーニエの応戦に応えてか、はたまた単なる主の気まぐれか、それとも他に理由があっての事か・・・。
二人の前にアシュリーニエが姿を現す。
空間を移動しやってきたアシュリーニエは、歪められた異空間の入り口から突如としてその姿を現わすると、身に纏った黒いマントをバサバサと翻しながら、イセリーニエが立つまさにこの図書館前の浮き上がった広場上に足を下す。
やはりアシュリーニエとイセリーニエは、腐っても血を分けた兄弟! どことなく似通った面影を覗かせてはいる。
しかしながら、敢えて言うならば、年長者であるアシュリーニエの方が、若干老けた面持ちをしている。中でも特に眉間の間に刻まれた皺は濃く深く、この戦々恐々とした世界に君臨し続けてきた男の苦悩の片鱗を感じさせる。
しかも、イセリーニエとは異なる深い土茶けた髪が、この世での兄弟の“光と影”を示しているかのようで、二人が良く似た面立ちであるとはいえ、イセリーニエには感じられないほの昏く冷たい闇の醸し出しているのが、際立つ印象である。
そして、イセリーニエを見据えたその視線は鋭く、好戦的であると言う他ない。二人の間には、兄弟の縁あって無きが如しに感じられるばかりだ。
とはいえ、アシュリーニエ自身がこの場に姿を現したのは、それ故だ!
彼らが血を分けた兄弟であるからという理由は欠かせようがない。血を分けた兄弟であるからこそ、道が分かれた今! 止めを刺すなら“自らの手で”というのが、兄心として本当のところなのだろう?
アシュリーニエも自分が仕向けた住民や能力者が取るに足らない者だという事は、重々承知の上の事で、只イセリーニエの出方を様子見していただけに過ぎない。
それでも、彼らはアシュリーニエの予想を裏切り、それ以上に役に立たない存在だった。どれだけ数を用意したところで、イセリーニエの能力も心身すらも弱らす事も出来なかった。
だが、その誤算など取るに足らない。
こうして端から自分が出向くつもりでいたのだから、それは一種の余興のようなものだ。
そして、アシュリーニエにもたらされる結果は、何一つ変わらなかったに違いない。
だから、眉一つ微動だにせず、アシュリーニエはその傲岸不遜ともいえる態度そのままで、イセリーニエに対峙する。
「イセリーニエ、久しいな・・・。そして・・、相変わらずというところか・・・」
鼻にかけたような笑いを付け足し、さも忌々しいとばかりにそう呟く。
「あなたも、お変わりなく・・・」
「それは褒め言葉として取っておこう・・・。だが、私自らがここに来たからには、もはやお前の好きにはさせはしまい!!」
高らかに宣言したかと思うと、アシュリーニエは魔方陣を開き、そこから一筋の剣を取り出す。そして、イセリーニエに向かってその矛先を翳すと、“お前も剣を取れ”とばかりに、その無精ひげの生えた顎をしゃくらせる。
この作品はとても難産で、更新があきがちで、申し訳ないです。
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