67.フェイクデレラ(ややR)

文中にR表現が含まれます。折り畳んでませんが、ご注意下さい。




「陽太郎……?」

けれども、僕達は一体どれくらい抱きしめ合っていただろうか?
腕の力が緩んだ頃には互いの体温が移り合い、触れていた部分のYシャツ生地も汗を含んでしっとりと湿っていた。
だから、僕達は相当な間そうしていたのだと思う。

「陽太郎……?」
「……ん? ん? ……真鍋???」

泣きじゃくった後の顏は瞼が厚ぼったく腫れていて、互いに酷い有様になっている。
けれども、久々に心が軽やかになって、スッキリとしていた。

それに、それこそ陽太郎との久々の抱擁だったから、身も心も昂揚したんだと思う。照れ臭さと相まって、未だにふかふかと浮付いている。
こんな時は、余計な事までポロリと吐露しがちだ。

「陽太郎? ………だから」
「ん?」
「僕も、陽太郎から逃げたくせに、ずっと陽太郎の事が忘れられなくて……。その………」
「……その?」
「う、うん。………えっ、何言ってんだろう……」
「何言ってって……。だから、何???」
「う、うーーーーん。だから、その…。陽太郎の腕や、胸…。そんな温もりを、日々思い出していたっていうか………」

陽太郎との触れ合いを、密かに求め続けていた。それが、先程の抱擁で再び叶った。
確かな温もり、確かな力…。
実の中で、かつての記憶が鮮やかに、一挙に蘇ってきた。

「……………っと、でも、真鍋はそれだけ??」
「えぇっ?」
「本当に、それだけ?」
「それだけって………」

とてもじゃないが、本当の事なんて言えやしない。

「俺は……………、ずっと妄想してた!!」
「っ!!」
「包み隠さず本当の事を言ったら、真鍋に怒られそうだけど、その…………。最近ではすっかりと、自慰(アレ)の妄想の相手がサギリから真鍋に成り変わっていたんだ」
「ぅっ………」
「あの黒縁眼鏡をしっかりと掛けたままでさ…。そして、その…………。堪らないくらい乱れてた!」
「ぅぅっ!!」

そ、そりゃ、”実”といえば、黒縁眼鏡だし…。陽太郎は、つい先程まで僕がサギリだったとは知らなかったのだから、そのイメージしかなかったのだろう。でも、それは分かるけど……。
人の事は言えたものじゃないが、実は陽太郎の生々しい告白に真っ赤になって戸惑い慌てる。

しかも、思わず眼鏡を曇らせ陽太郎を咥え込む自分の様を思い浮かべてしまい、それを打ち消すのだけでも必死だ。

「えっ、ちょっ……………。よ、陽太郎っ!!!」
「だから、その……。名前もずっと……、勝手に呼んでた。……”実”って呼んで、辱めてた」
「ぃっ……………」
「でも、男だから…………。本当、どうしようもない生き物だよな……」
「……っ」

陽太郎はそんな己に恥じ入り、苦笑を浮かべる。
けれども、分かる。実も、男だから良く分かる事だ。
どうしても性に抗えない部分はある。たとえ純粋な恋愛感情だって、いつの間にかにそちらに直結してしまう。そんなものだ。仕方がない。

「で、でも…、その……………。真鍋は? 本当に、それだけ?」
「えっ……」
「俺と違って、そういう風にまでは、求めてくれていなかった?」
「ぅっ…。よ、陽太郎っ……!!!」
「ん? ん??」

陽太郎に真剣に見つめられると、どうしても……。

「その……、ぁぁっ…………。僕も、その………」




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