43.続・執着~均衡~

広間には奥に応接セットがあるものの、それ以外は壁際に椅子が数脚置いてあるだけで、余分な調度は一切ない。極道映画に見るアジトのようだ。
こうしたところでちょっとした違法賭博を開催したり、何らかの制裁を加えたりする事が、現にあるのかもしれない。

利通は自らの行く末を思い描き、ブルリと身を一震いさせる。

そして、応接セットのソファーで寛ぐ宇賀神の前まで連れて来られると、その案内人の男は利通を置いて、自分の持ち場へと直ちに引き返していった。

だが、ここにいるのは、利通が標的とする宇賀神一人ではない。強面の舎弟達が、数人たむろっている。
とはいえ、そんな男達なら、侠耶の元で日々見慣れている。今更、何人いようが怯む事もない。

やはり注意すべきは、目前の男! 宇賀神だった。

利通は宇賀神との間に一定の距離を置いて、一先ずの警戒体勢を敷く。それを宇賀神は鼻で笑う。

「ふんっ、いきなり取って食おうとはしない。……だが、お前の出方次第では、それも分からない。気が変わるかもしれんな?」
「………っ」
「まぁ、良い! お前の口振りでは、一応、俺の元へ靡きにきたのだろ?」
「…そ、そうだ!」
「なら、そうだな………? まずはその心意気とやらを、見せてもらおうか!」
「っ!!! どういう…………」
「どういう? ふんっ、簡単だ! 舎弟達(コイツラ)にも良く分かるように、ここで丸裸になって、証明してもらおうか?」
「証明…」
「そうだ! 脚を開いて誘えば、本当に俺の女になりにきたのだと、舎弟達(コイツラ)も納得するだろう? まぁ、その気があるというなら、簡単な事だ!」

舎弟達までもが、下世話な笑みを浮かべる。
(くそっ!)

「っ…」
「違うのか? 手を組むというのは、そういう意味ではなかったのか?」

……違わない。
利通は侠耶から逃れるために宇賀神と組むと言った。自分が“女”である以上、当然そういう意味合いも含まれているのだろう。

宇賀神の言う通り、その証拠を見せなければならない。

そう、侠耶に嫌々抱かれているというなら、この宇賀神に抱かれるのも同じ筈だ。それも、一、二度のSEXで、その侠耶から逃れられるというなら、この挑戦を進んで受けるべきだ。

「み、皆のいる前でか? その…、必要はあるのか?」
「そうだ、皆の前でだ! 必要なら、十分にある! 舎弟達(コイツラ)はお前を疑っている。裸になれば身体検査も出来て、一石二鳥というものだろ?」
「ぅっ……」

そうだ、無理のある利通の出まかせなんて、誰も鵜呑みにしていない。利通でさえ、そうだ。あれを信じてもらえたとは思っていなかった。
凶器所持の有無を確かめる必要は、大いにある。当然だ!

(だが、こんなに、早く……。 くそっ!)

思い通りにいかない。
いずれ身体検査はされると思っていたが、まさか宇賀神の前で…。しかも、こんな外野が沢山いるところで、「脱げ」と要求されるとは思っていなかった。
思い通りにいかない事は、侠耶との生活でしょっちゅう経験している事だが、今回ばかりは事を上手く運びたい。それなのに……。

(足を開いて、誘えだと?)

脱いだくらいでは隠し持つ凶器は分かりようもないが、そんな事をすれば気付かれそうだ!
今、利通の奥で息を潜める…。

サソリの尻尾針に燈った猛毒に!!




生理的に受け付けない部分がありましたら、申し訳ないです。さらりと読み流して下さい。

 /  / 続編初回 / 人物紹介(別扉) / 前作『執着』初回 / 総合目次1(最新作~) / 総合目次2(旧作品)

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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
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