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『続・執着』番外j.【久々の受難】(マル視点)

久々に『続・執着』の番外の登場です。
本当、忘れた頃にですが…。汗
まぁ、完結した際に、”夏頃に”とは言っていたのですけどね! 笑
頂いた貴重なリクエスト通り、主人公利通の“姐さん道中”とはいきませんでしたが、マル視点でiのおまけ話のその後の様子をチラリと…。
楽しんで頂けると嬉しいです。
では↓↓↓




j.【久々の受難】(マルview)

マルは、凝りに固まった背中を伸ばすために、遠慮がちに伸びをする。
音を立てないように、気配を消して、そっと…。

いつもなら、この時間は稼業の木材屋で仕事をしている。
だが、今日に限っては、体調を崩した利通のピンチヒッターで、一日代理秘書として若頭にお供していた。
それが必要以上にビクビクとしていなければならない理由だ。

(こ、こ、こ、こ、これも、日頃お世話になっている片岡さんのためっス!)

いや、そんな殊勝な志ではない。
どちらかといえば、一見まともそうでいて妙に凄味と迫力のある利通に直々に頼み込まれ、断るに断れなかったのだ。
余程、敵対する睦友会にうっかりとブッコミに行ってしまったとする自分の方がマシだ。

(ど、ど、ど、どうせっっ。す、全て…、若頭の性に違いないっス!)

利通のこの不調は、若頭である侠耶が欲望の赴くまま、無理なSEXを強いてしまったからなんじゃないかと思う。
未だに利通に関する事で、侠耶に対するマルの心象は良くない。
そう、侠耶ははじめて利通を本宅に連れてきた折に、事もあろうか、皆の前で利通を強姦したのだ。

今の二人はマルの目から見ても愛し合っているように思えるが、一般常識が欠落している侠耶の事など信用出来ない。
非常識は五万と出てくる筈だ!

(本当、若頭は非常識の塊っス!)

それは、春に潮干狩りに行った時にも痛感した。

(一度も、貝を掘った事がないなんて………、どこのお坊ちゃまっスか~~!!)

心の中で密かに激しいツッコミを入れたくらいだ。
とはいえ、今日はどうにもこうにも、自分が不運である事には違いないようだ。

(はぁ~~~っっ。今も、何とは無しに俺の事、睨んだっスよね?
俺も若頭と一緒に一秒たりともいたくないっス!
本当、毎日一緒にいる片岡さんを尊敬するっスよ~~っっ。
ああ~~~っっ、まだまだ一緒にいなきゃいけないなんて、針の筵で5重巻っス!)

一見、美味しそうなエビフライか何かのようなビジュアルの自分を想像して、噴き出しそうになった。
だが、知らず知らずのうちに年の離れた恋人である香山のボヤキ癖が移ったのか、気付けばまた長々とした呪詛を心の中で吐いていた。
しかも、どれだけ吐こうが、全く収まる様子がない。
これも利通直々のお願いだという事で、侠耶が要らぬ嫉妬をして、根に持っているからだ。これではマルへの恨み風当たりも悪くなる一方で、恨み言は尽きない。

(最悪最低の日っス! しかも、今日は頼れる舎弟頭もいないんだから、地獄っスよ~~)

強面でも優しい恋人の顔を思い浮かべれば、早くも目に涙が滲んできた。

(舎弟頭~~~、俺をここから早く助け出して下さいっスぅ~~!!)

その助けをどれだけ望もうと、叶う筈がない! その香山も、今日はマルがフォローしきれない利通の仕事とマルそのものの仕事の穴埋めを請け負って、右に左にと多忙さを極めている。
とてもじゃないが、ひょっこり顔を覗かす余裕もないだろう。

(なら、逆に舎弟頭に“男”を見せる時か……)

依存しているばかりが“愛”じゃない。
そう思い直して踏ん張ろうとしたのに、不運は続く。
噂をすれば陰。先程誤ってブッコミに行ってしまった方がなんて思っていた睦友会傘下の梶尾組の虎ネコ大将、宇賀神寅之助から電話が掛かってきた。

しかも、宇賀神は利通がいない事を告げるとあからさまにムっとして、侠耶に取り次ぐよう迫ってきた。
だから、仕方なく取り次げば、何の事はない。侠耶に、鋭い目で睨まれた。

(か、確実に、寿命が二歳は縮まったっス~~~)

しかも、宇賀神は声がデカい。マルのところまで筒抜けだ。
俗に“声が大きい者はアソコも大きい”というが、宇賀神のソレもとても大きそうだ。
とはいえ、その声が甚だ迷惑であるのに変わりない。仕方なく漏れ聞こえてくるそれを盗み聞きしていたら、滝のような冷や汗を瞬時に掻く羽目になった。

宇賀神は侠耶相手に意気揚々と『今日は、毒姫がいないそうだな? 痴話喧嘩か? そうだというなら、このまま別れてしまえ! 後はこの俺が遠慮なく姫の身受けをしてやるから!!』などと喧嘩を売るものだから、侠耶の鼻息も荒くなる。
ふんと鳴った鼻息の音に、マルの寿命がまた1年縮まった。

とはいえ、宇賀神もとんでもない多弁野郎だ。
厭味一つ言えば収まるかと思った電話だが、なかなか切る気配がない。
あまり侠耶の怒りを、不用意に煽らないで欲しい。同じ空間にいる者が憐れになる。

『そうそう、錦織? 耳寄りな話を聞かせてやろう! うちの若いものが、毒姫と同級生らしくてな?』
『ふんっ、布施(アイツ)か……』

いつぞやの茶会で一悶着があった。その時にいた梶尾組の舎弟の事だろうか?
マルもあの現場に同行していたのだから、良く知っている。

(若頭の前で、馴れ馴れしく片岡さんに話し掛けて…。あれは一発触発だったっス!)

案の定、それを聞いて、侠耶は面白くない表情をした。

『布施(ソイツ)が里帰りした折にな? 中学時代の卒業アルバムと毒姫を隠し撮りしたスナップを大量に持ち帰ってきた!』
『っ!!!』
『かの頃の姫はあどけなさも残っていて、乙なものだな?』

侠耶が知る利通は高校に上がってからだ。
仮に利通に昔のアルバムを見せてもらっていたにせよ、その当時の姿を宇賀神もが知っているのは癪に障るに違いない。
いや、隠し撮り写真もあるというのだから、利通本人ですら知らない姿が写っているのかもしれない。

案の定、優越感に浸るこの男を直ちにブチ殺したいとでも思ったのか、侠耶の堪忍袋の緒がプチリと派手に切れる音がした。
しかも、それだけではない。それと同時に、凶器と化したガラス製の灰皿がマル目掛けて飛んできた。

「ぐへぇ……、痛いっ、熱いっス……」

椅子から転がり落ち、患部を押さえて蹲る。

「悪い、手が滑った」

殊勝に謝るものの、全く反省しているようには見えない。恐らく、“避けれなかったお前が悪い”くらいにしか思っていないのだろう。

(う、う、う、打ち所がちょっと悪ければ、簡単にあの世っスよ~~っっ)

もちろん、その後の事は言うまでもない。侠耶の八つ当たりを一身に受けて、酷い一日になった。

(俺っち、不幸だ。不幸過ぎる…。
厄払いに出掛けた方が良いのかな~~~?)

香山の顔を思い浮かべ、また涙ぐむ。
大体からして、極普通の人間であるマルには侠耶のお守りは少し荷が重い。
もちろん、これから先、利通の代理をまた頼まれようと御免だ。

(舎弟頭~~~っっ。俺、今日は打撲と火傷をしたっスぅ~~~っっ。
とばっちりで、悲惨っス………)

涙、涙、涙。

(しかも、嫉妬した若頭が片岡さんをまた襲ったら、明日も代理になるじゃないっスか、俺?)

二度と御免だと思った矢先に、これだ!
号泣ーーっ。

   -END-




番外K / 番外iおまけ / 続編初回 / 人物紹介(別扉) / 前作『執着』初回 / 総合目次1(最新作~) / 総合目次2(旧作品)

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テーマ : 自作BL連載小説
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Author:ばけもぐ
隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
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