47.痩身施術男子

「い、板倉、待って! さっきの…。大事な事だから、はぐらかさないで……」
「っぅ……………。さすがにダメか…。こんな事じゃ、高森は誤魔化されないか……」
「っ……」

芝生に埋め尽くされたキャンパス広場の真ん中で、板倉が立ちどまる。そして、そのままドカリと芝の上に腰を下ろした。
真も倣って、その隣にちょこんと座り込む。

(よ、良かった。やっと話が出来そうだ! 僕の本当の想いを伝えたら、誠心誠意謝ろう)

「い、い、板倉? 前から言おうと思っていたんだけど…」
「やっぱり、それ、聞かなきゃいけない?」
「えっ」
「俺には絶対、不都合な話だとしか思えないんだけど……」
「不都合……」

どうなのだろう?
真の気持ちが、板倉にとっては望まない方へと変わってしまったというなら、不都合に違いない。

「俺としてはさ、このまま高森と本当に付き合ってる事にしておきたいんだけど……」
「………っ」

やはりそうだ。

「高森に告白された時は、友達としか思っていなかったけど、今は違うよ。俺は高森の事が好きなんだ!」
「……っっ」

先手必勝とばかりに、板倉はそう宣言してきた。

「い、今は好きって……」
「そう言うと、俺もアイツらと同じ、高森の見た目の変化で気持ちが動いたように思うかもしれないけど、そこは違う。はっきりと否定する」
「うっ、うん…」
「俺はさ、高森に告白された事で初めて高森をそういう目で見るようになったんだ。それで、気持ちもどんどんと変化した。だから、今では友達としてだけじゃなく、ちゃんと恋愛対象として見ている」
「っ…」
「しかも、俺のために健気に痩せようとしてくれただろ? グッときて、絆された」
「っっ…」

いや、違う。痩せようとしたのは、板倉が思っている動機からだけではない。
むしろ慢心と太っている自分に嫌気がさして、意地になっていた部分が強い。
それに、何よりも内藤と過ごす時間が楽しかったから。
モニターとして成果を出す事で、内藤を助けたかったから。
そして、今は恋するあまり、内藤の事ばかり考えて、食べ物が喉を通らない。

(マシュマロも表面を火で炙ると、中がトロンと溶けて綺麗に脱皮するもんね。今の僕もそれみたい。先生への恋で、スルっと痩せた)

だが、いくら痩せたところで、恋愛対象にも、性的対象にもなれない。真の恋は報われそうにない。
とはいえ、板倉に告白された上に、こんな風にまで言われると罪悪感で一杯になる。

早く本当の事を言わなきゃ。

「板倉、違うんだ」
「何が?」
「だから、痩せたのも……。ごめん、今まで黙って…」
「高森さ、やっぱり、どうしてもそれを言うの?」
「えっ」
「俺は、嫌だ! 往生際が悪いけど、あまりはっきりさせたくない!」
「ぅっ、うん……」
「だけど、本当は俺も分かってる。高森が俺に告白したのは、勘違いだったんだって。そうだろう?」
「っ…………、うん」
「うんって…。あ~~、そこは出来れば否定して欲しかったな~~~」
「っ……」
「しかも、今まで高森にそれを言わせないよう必死に誤魔化してきたのに、ついに引導を渡されちゃったな。マジでキツい………」
「っ…」

板倉は大きなため息を付いて、がっくりと肩を落とした。




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