23.(8-2)鬼祓戦隊 節分(接吻)ジャー

森木田の様子を見る限り、仲間、同士という関係であることはもちろん、純に対して特別な情を抱いてくれているのは確かなようだ。
けれども、赤鬼といい、森木田といい、こんな冴えない自分に、どうしてそんな風になるのか。
理解しがたいものの、好意を寄せられていると感じるにつけ、胸のあたりがキュンと締め付けられる。

「見せてくれ。雪が舞い落ちる様を見せてくれ」
「う、うん…」

気を引き締め直し、もう一度胸の前で印を結ぶ。
どうしたわけか先程とは異なり、余分な雑念が消えている。いつもの陰練習の時のように、素直に術を唱える事が出来た。
すると、白い粉雪が漆黒の夜空から中央からちらちらと弧を描きながら降り注ぐ。
静かに、静かに…。
己の存在を意識づけながら……。

「綺麗だ。……とても綺麗だ」

感嘆の声が、森木田の口から漏れる。
だが、それは雪に対しての言葉なのか、純に対してのそれなのか…。
しんしんと降り積もる雪に、辺り一面はあっという間に白く色を変えた。
手入れの行き届いた庭の植木にもこんもりと白い綿帽子を被っている。

「やれば出来るじゃないか。やれば…」
「………っ」

さわさわと髪を撫でられた。

「う、うん……」
「もっと自信を持てば良いんだ。でないと、ある力だって十分に発揮できない」
「………うん」
「俺達は今、大変な局面にきた。半人半鬼の…、今までにない強い敵………」
「うん…」
「嫌でもソイツらと闘わなければならない。だから…」
「うん…」
「俺も強くなる。だから、俺と一緒に……」

――俺と一緒に来てくれ。赤鬼ではなく、俺と…。

純に向かって差し出された手には、そんな思いが込められているように感じた。
その姿に、前世恋人であったブルーの陰影が重なる。
赤鬼との間で心が揺れ動き、それでもブルーを選んだかつての自分の思いまで蘇ってくるようだ。
その時との既視感に身が震える。
果たして今世の自分はどちらを選ぶのか…。

「…………う、うん」

返事が待てないとばかりに、森木田は純の手を迎えにいく。そのまま身体ごと自分の方へと強い力で引き寄せた。

「一緒に………」
「う、うん…」

森木田といい、赤鬼といい、純にとっては身分不相応な良男だ。それなに……。
複雑な思いを抱え、押し黙る。

だが、降り注ぐ雪にとは対照的に、森木田の熱い体温がよく伝わってくる。
めらめらと…。心の芯まで、じんわりと……。

   * * *




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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
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