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45.澤木兄弟

 思いも依らない言葉が返ってきた。

「だってさ、澤木、あれ以来、俺が誘っても絶対にのってくれないだろ?」
「……っ」
「だからさ、酔い潰れても大丈夫なように、今日は俺のアパートで呑む? ちょうど美味しい酒も仕入れてきたところだし」

 たまたまの提案を装っているくせに、筒井の目がギラリと光った。

「っぅ…。お前の家は遠慮しておくよ。き、汚そうだから」

 もちろん本当にそんな風に思っているわけではない。出まかせの口実だ。
 それに一瞬怯んだのを見破られたくない。わざと邪険な口を叩いてでも強気に見せていたい。

「結構マメだから、綺麗だって!」
「まぁ、どっちにしろ行かないよ。ほ、他を当ってくれ」

 怪しい雲行きになってきた。これで終わりとばかりに強制的に話しを打ち切り、視線をPC画面に戻す。

「そんなつれない事、言わなくても~~~。ね、佐々木さん、どう思います?」

 筒井は隣に座る佐々木を巻き込む。

「だな。澤木も若いんだから、そんなに堅くてどうする? 今しか遊べないぞ~~~」

 三児のパパでもある佐々木が、やけに実感の籠った調子で同意する。

「でしょ、でしょ。佐々木さんもそう思いますよね」
「そう、そう。俺なんて、母ちゃんに小遣いを抑えられて、お金がなくて呑みに行く事も出来ねぇわ」
「ははっ、自由なのも結婚するまでって事ですよね?」
「そうさ。しかも、家内のヤツ、上の子の塾の迎えは当然のように俺をアテにしているから、自由もねぇーよ」
「それ、愚痴っスか?」
「愚痴ってわけじゃねぇけど……。って、やっぱり愚痴かな? だから、お前らも今の内だぞ! 澤木も、たまには羽目を外しても良いんじゃねぇーか? 筒井みたいなヤツが連れだしてくれないと、澤木は絶対に行かないだろ?」

 それは当たっている。少々強引でなければ行かないし、わざわざ自分から企画しようとも思わない。
 結局、盛り上がる二人の煩さに反抗するのも面倒になって、「じゃ、一軒だけな」と安請け合いしてしまう。今日のところは筒井にしてやられた。
 けれども、家では怜二が待っている。行く事にしたからといっても、適当なところで切り上げ、早々に帰るつもりだ。




 /  / 初回 / 登場人物紹介 / 総合目次1~3 / ※専用P2



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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:ばけもぐ
隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
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