スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

53.澤木兄弟

「暑い」
「啓一、暑いって……」
「暑いさ。今日は呑んでるし、風呂で温まったから」
「だから、クーラーもかけておいただろ」
「ああ、涼しくなってる」
「じゃ……」
「だけど、まだ暑い」
「まだ暑いって、そんな事をいっても…………。啓一、酔っぱらってるだろ?」
「そりゃ、酔っぱらってる。酔っぱらってるさ。呑まされた。今日は必要以上に呑み過ぎている」
「呑まされたって…………、ぅぅ…」

 怜二は無防備な啓一に耐えかね、「俺が風呂から上がるまでには着ておけよ」と着替えを投げつけ、風呂場へすっとんでいった。
 けれども、言う事を聞くつもりは毛頭ない。ソファーに転がり、バラエティ番組を見ながら、怜二が風呂から上がってくるのを待つ。

(これでも誘っているつもりなんだけどな……)

 怜二に自分の気持ちや覚悟を伝えようとするなら、上辺だけの言葉で表すよりも態度でも示した方が良い。
 それで自分が怜二に抱かれる事になるのだと思うと、緊張と興奮で湯船で温めた体がより一層火照った。

 そんなつもりでいるとは知らない怜二は、風呂から上がってきても未だに素っ裸のままソファーで寛いでいる啓一を見て固まる。

「啓一……」
「あっ、出てきたか」
「出てきたかじゃないだろ? まだ………」
「服か? 着なくても大丈夫だ。夏なんだ、風邪なんか引かない」
「そういう意味じゃ…………」
「じゃ、どういう意味だ?」

 意地悪く、言葉に詰まった怜二に問う。

「っっぅ、どういう意味かって………」
「お前が世話焼きなのは昔から分かってる。ぐうたらな俺を呆れもせずに甘やかしているんだ、マメじゃなきゃ出来ない」
「っ…、別にマメとかいうんじゃなくて、したいからやってるんであって……」
「分かってる。お前のそういうところはあまり変わっていない。だけど、お前も大人になって、随分と良い男になったなぁ」
「なっ………。そんな事を言うなんて、啓一、やっぱり相当酔っぱらってるな!」

 険しい顏になって、着替えを頭からすっぽりと被せようとしてきた。

「確かに酔っぱらってる。さっきから自分でもそう言ってるだろ? だけど、ちょっ…、怜二……。暑いっ、暑いから着ないっ」
「それは分かった。分かったけど、服は暑くても着てくれ。俺もそういう意味で言ってるんじゃないんだ。お願いだから、啓一、着てくれ」
「だから、着ないっ…。暑い……」

 身を捩って逃げようとする。




 /  / 初回 / 登場人物紹介 / 総合目次1~3 / ※専用P2



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村


テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ばけもぐ

Author:ばけもぐ
隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
尚、誹謗中傷、未成年の閲覧、画像の無断転用はご遠慮願います。


本館(当ブログ)目次↓
dreamtripbana.jpg
分館目次↓
dreamtripbana.jpg
twitter↓
@bakemogu53

ランキング参加しています!
よろしければ応援お願いします!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
人気ブログランキングへ


現在の閲覧者数:


おすすめトラコミ&サーチ
にほんブログ村 トラコミュ ボーイズラブへ
ボーイズラブ
にほんブログ村 トラコミュ BLイラスト・漫画・小説何でも書いちゃう!へ
BLイラスト・漫画・小説何でも書いちゃう!
にほんブログ村 トラコミュ 小説15禁・18禁(性描写あり)へ
小説15禁・18禁(性描写あり)

最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新コメント
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。