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54.澤木兄弟

「お願いだから……」
「着ない」
「でも、暑いって、そんなに暑くないだろ?」
「ああ、本当の事を言ったらな。だけど、うっとおしいから、まだ着たくないんだよ」
「…って、それも分かるけど………。啓一、着てくれ、お願いだから俺のために……」
「ったく、なんでお前のためなんだ」
「なんでもだよ、お願いだから………」

 怜二との体格差を思えば、力付くで着せようと思えば簡単な事だ。けれども、怜二は無理矢理着せようとはしないかわりに、ほとほと弱った声を上げた。
 いかに啓一の裸が怜二の目に毒で、困っているかは分かっている。
 だが、それを承知の上で、怜二が折角持ってきてくれた衣類をポイッと床に投げ捨てる。

「後で着るから、そこに置いといてくれ」
「け、啓一っ!!」
「ちゃんと火照りが治まったら着るから」

 耐えかねて視線を外した怜二の顔を、意地悪そうにわざわざ覗き込む。
 すると、突如として強い力でソファーに押し倒され、その場にガッチリと縫い付けられた。

「…っ」
「だっ、だから、啓一………」
「…っっ、怜二……」
「啓一も分かってるだろ?」
「っっっ…」
「俺達はやっと兄弟に戻れた。いや、戻っても良いと、啓一が俺を許してくれたんだ。それを俺はとても有難く思っているし、喜んでいる。だけど、正直な事を言えば、俺は根本的には変わってないんだ」
「っ…」
「今でも啓一の事が好きだし、兄弟以上の目で見ている。だから、啓一にそんな風に無防備にしていられると、この関係をまた壊してしまいかねない。俺は啓一を二度と傷付けたくはないんだ。俺にとって、啓一は大切で、大事にしていきたい存在で…。だから……」

 怜二は圧倒的な力で啓一を抑え込みながらも、本意ではない行動を取る自分を忌み嫌って、苦々しく呟く。

「分かってる。そんな事は分かってるよ。だけど、お前がそうしたければ、そうすれば良いじゃないか」
「はっ?」
「だから、お前のしたいようにしろって言ってるんだ。俺はそれで良い。傷付きやしないし、何だって許してやる」
「啓一、自分で何を言っているのか分かっているのか? 俺がしたいようにって、そんな……。啓一にとってみたら、酷い事をするって事だぞ」
「分かってる。ちゃんと分かって言っているつもりだ」
「………啓一」
「この際、お前の気持ちも、俺の気持ちも、受け入れてみようと思うんだ」
「えっ…」




 /  / 初回 / 登場人物紹介 / 総合目次1~3 / ※専用P2



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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
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