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『澤木兄弟』番外b-5

「ね! ほら、上手くいった」
「何が上手くいっただ。人事だと思って」
「人事って、これでも澤木の味方だぞ。こうやって俺がナイトさまを上手く刺激してやったんだから、後は家で仲良くやれよ。悩んでる場合じゃないって」
「筒井…」
「ほら、な? 俺は味方だっただろ? 不満があるんだったら、ナイトさまにぶつけてスッキリしろよ!」

 筒井がウィンクをして寄越す。

「だけど………、澤木、いつもより体温高くないか?」
「き、気の性だ! もし熱いと感じるというなら、腹立たしくて今上がったんだろ? だから、必要以上に触ってくるな!」
「それなら良いけど、体調には気を付けろよ。秋風吹いた途端、お決まりの風邪が流行ってるみたいだからな」
「………っ」

 言われて気付く。胸のむかむかも、喉も、気怠さも。これは昨日の疲れなんかではなく、熱が出る前兆だ。急に節々がピリピリとしてきた。
 どうやら本当に気分が悪かったらしい。

 その後も気を張って何とか就業時間を乗り切ったが、家に戻れると思った途端、その不調がどっと押し寄せてきた。
 フラフラになりながら帰途に就く。

 それでも昼間の怜二の誤解した表情が気になっていたから、そのまま自室に籠るのではなく怜二の部屋に立ち寄った。
 預かっている合鍵で中に入ると、怜二が帰ってくるまでの間、ソファで休まさせてもらう事にする。

 すると、直ぐに眠気が襲ってきて、コトリともすることなく数時間。次に目覚めた時には、服が寝汗でぐっしょりと濡れていた。
 それをいつの間にか帰宅していた怜二に手伝われながらモタモタと着替え、水分補給が終わるとまた有無を言わさず布団の中に押し込まれぐっすりと眠る。

 あれ程会社では物言いたげな表情をしていた怜二も、今はそれどころではないようで、つきっきりで啓一の面倒を見る。
 そんな風にして丸二晩が経ち、久々に出た熱もようやく微熱程度にまで下がった。

 それでも病人気分は抜けない。なんやかんやと怜二に甘えたくなる。
 怜二もそれを嫌な表情一つせず許してくる。尚もせっせと啓一の世話を焼き続けている。
 もしかしたらそれに他との差を見い出し、優越感を得ているのかもしれない。あの時会社で垣間見た表情とは雲泥の差だ。

「怜二……」
「どうした? 何か飲みたいのか?」
「いや…」
「じゃ、お腹が空いたのか? おかゆかうどん…、食べれそうなものがあったら作ろうか?」
「………うっ、いや…………」
「どうした?」

 怜二が顔を覗き込んでくる。




 /  / 初回 / 登場人物紹介 / 総合目次1~3 / ※専用P2



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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
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