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『澤木兄弟』番外b-9

 怜二のために不慣れな食事を用意して仕事に出掛け、それが終わるとまた世話を焼きに家に戻る。それの繰り返しなのだが、所帯じみたそれに何とも言えない幸せを感じる。
 もちろん、慣れない事で手古摺る事も多かったが、怜二の世話を焼きたがる気持ちが何となく分かったし、啓一からもこれからはいろいろとしてやりたいと思った。

 定時になると仕事を切り上げ、急いで怜二の待つ部屋へと向かう。玄関のドアを開ければ、随分と顔色の良くなった怜二が「おかえり」と出迎えてくれた。
 それに心の奥をほっこりさせ、「ただいま」と告げる。
 怜二も頬を緩ませ、とても幸せそうな表情をしている。

「気分はどうだ?」
「もう平常通り」
「そうか」
「もう大丈夫。だから、久しぶりに夕飯を作っておいた。啓一も仕事で疲れただろ?」
「疲れただろって、無理はするなよ。俺の心配なんていらないんだから」
「無理はしてないよ。啓一の喜ぶ顔が見たかっただけだから」
「っ…」

 相変わらずだ。

「とはいってもさ」
「ああ」
「啓一に看病してもらうのは良いものだな。たまには風邪を引くのも悪くないなって思った。これじゃ、全然報いにならないな?」
「報いって、まだそんな事……。それに、風邪を引かなくても、俺だってお前につくしたいと思ってるさ。たまには俺に甘えておけ」
「………啓一?」

 ポロリと本音が出た。
 ”つくしたい”だなんて……。意識した途端、頬が熱くなる。とんでもなく恥ずかしい。

「別に良いだろ?」
「け、け、啓一?」
「そ、それじゃ、お言葉に甘えて食べるか。ほら、怜二、用意して食べるぞ! ほら!!」

 その場を誤魔化そうと慌ててキッチンに歩を向ける。
 すると、それを追って、にこにこと怜二がやってくる。そして、鍋の中を覗く啓一の上から被さるようにして中を覗き込む。

「副菜の肉じゃがとアオサの味噌汁。好きだろ?」
「ああ、旨そうだな?」

 つむじに怜二の温かい息がかかっている。
 そんな自分達の近しい距離に幸せを感じる。

「だと、良いな」
「そりゃ、お前の作った料理だ。旨いだろう」

 目の前の料理以上に怜二との触れ合いを楽しむ。
 すると、突然、改まった声が降ってきた。

「あ、あのさ………、啓一?」
「何だ?」
「その、俺の風邪……」
「ああ」
「啓一からもらったヤツだから、もう啓一に移す事はないと思うんだ」
「そりゃ、そうだろうな」
「だから、その……………。今晩、して良いか?」
「っ、ぅ………。ああ、しような」

 嬉しい誘いに胸をほっこりとさせながら、照れくさそうに返す。


   -END-





 短い番外をもう一本、書けたら書こうと思います。
 そして、それが終わったら、しばらくヤクザものの準備でお休みします。ペコペコ


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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
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