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26.宝珠の夢

真実解明へとやってきました!


4人は富岡の兄が勤務する図書館から近くの、対面を気にせず長居が可能なマクドナルードの3F隅の一角を陣取る。それぞれのペアが横並びに座り、席を囲む。
そして、最年長者で稼ぎのある富岡の兄の奢りのバリューセットを片手に嗜みながら、いよいよ現実の世界でも不可思議な運命の4人が一堂に会しての情報交流の幕が上がった。

泉希達は席に落ち着くと、まずは弟の富岡先輩と同じ宝聖学園高校に通っている事や、文化祭劇の事、そして今日ここまで辿り着いた経緯など、簡単な自己紹介を織り交ぜて話してみせた。
富岡の兄の方もこちらでの身の上などを、同様に返して教えてくれた。
本名、富岡宝(トミオカタカラ)。一昨年、現在ではなかなか狭き門となっている公務員となり、この中央図書館で勤務しているという。

一方、マリオンである彼の方は、持田茉莉緒(モチダマリオ)。現在、この図書館の近くのO大の3年生で、富岡の兄とは偶然知り合ったらしい。
しかも、あの天性の性格! 富岡の兄の顔を見るや否や、何の躊躇いも無く向こうから猛烈に接触してきたらしい。泉希達とは随分異なる出会いだ。
だから、あれほど夢の事を語るのに逡巡した自分達は、一体何だったのかと思わされる。持って生まれた個性だが、この性格の違いにこちらの世界に於いても明るい兆しを感じにはいられない。

そして、4人が挨拶がてらひとしきりの自己紹介を終えると、富岡の兄が年長者の貫録でその場をまとめ本題に入る。
「で、君たちは、何かこの本以外に知っている事はあるのか?」
原作については、富岡に聞いて読んだものの、それ以外の情報は全く得られていない。敢えて言うなら、現実の世界でこのメンバーと落ち合う事が出来た事が最も有力な情報であるといえた。
あとは、気付いた事が1点あるのみ。劇の名前がミュルゼーヌと語感が似ているのと同様に・・・。

「いえ・・・。何も・・・・。すみません。でも、高波とここへ来る途中にも話していたんですけど、俺達、偶然なのか夢の中の名前と響きが似ているねって・・・。そして、今! 富岡さん達のお名前を伺って、より一層そう感じたんですけど・・・。」
いつもなら前へ出ていくよりは後ろに控えるタイプの泉希だが、高波より自分の方が年上という気負いもあって、珍しいことに自らが受け答えを買って出る。

「それについては、俺達も同様の意見だ。以前から茉莉緒(コイツ)と話合っているのだが、あまりにも響きが似ている事から、漢字を当てはめる事で何かのキーワードになっているんじゃないかって・・・。」
漢字と聞いて、瞬時に疑問に思い当る。
「でも、あの本の作者って、外人の方ですよね?」

すると、今度は富岡の兄の方がきょとんとした表情を浮かべる。
「カトリーヌ・ヘミング?」
「そうです。そのカトリーヌ・ヘミングさん!! とても和名には・・・。」
富岡の兄は可笑しそうに、ニヤっとした笑みを漏らす。そして刹那、それを隠すように、口元に手を当て覆ってしまう。

「いや、違うよ。彼女は、ジャパニーズだよ!」

「えっ!!!」
富岡の兄の言葉に、泉希と高波は同時に驚きの声を上げる。
「ジャ、ジャパニーズって・・・・。」
「てっきり欧米人かと・・・・。」
カトリーヌ・ヘミングと聞いて、まず日本人とは思わない。いかにも外人ぽい名前である。

「それね! 彼女のペンネーム! 彼女、国際結婚していてね。カトリーヌは、本名の可奈代からきた愛称なんだ。」
「愛称・・・・。」
確かに日本語名だと親しみがないから、海外に行くと呼び易いように愛称を用いる者は多い。
けれども、既成概念ですっかり外人だと思い込んでいた泉希達は、その意外な事実に驚かずにはいられない。
そんな泉希達に、富岡の兄は更に彼女に関する意外な情報をもたらす。

「しかも、彼女! 本職はファンタジー作家ではなく、考古学者なんだ。この本の執筆に関しては全くの趣味。本も自費出版されたものなのだけど、寄贈されたものでね・・・。この近くのO大でも教鞭を取られていた事もある〇〇市の有識人だから、未完の本なんだけどその寄贈された上、中巻を書庫に所蔵しているんだ。」
茉莉緒さんは以前から富岡の兄に聞いて知っている事実ではあろうが、高波と泉希にとっては初めて耳にする事ばかりで、興味深い話だけに、ただただ耳を傾けては真剣に聞き入るばかり。相槌どころではない。

「そして、旦那のヘミング氏とは考古学繋がりで出会ったらしいんだ。そう、二人とも中国~朝鮮半島~日本への古代の文明の伝播に関する研究を専門としていたんだけど、彼女は俺達が生まれる以前に悪性の癌で他界している。まだ旦那の方は生きているようだが、かなりの高齢となっていて、今は一線から退いて故郷のイギリスへと帰っているそうだ。」
「そうか・・・。だから、自分では何も情報を掴めなかったんだ・・・。」
「そしてね! あの『龍の宝珠』には、その彼女の研究分野である考古学の要素が多分に含まれているんじゃないか、ってね・・・。」
富岡の兄の話は聞くにつけ、徐々に分からなかった夢の確信に触れていくような気がする。

「考古学・・・。」




挿絵(ご覧下さる方は星印をクリックして下さい) → 

個々の名前については、後日語られる事でしょうっっ。でも、安直だから分かる?! 想像してください。
そして、司書事情やら、外人の名前などに関しては??な私です。その辺りの記述で変だと思っても、どうか目を瞑ってください。

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テーマ : ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学

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けいったんさん

真相解明は・・・・、近日公開です。笑っっ。
作者はなくなっているものの、既に富岡兄は近いところまで迫っているのですよっっ。ただ方法が分からないのと、メンバーが揃っていなかったことで、辿り着けないでいたのが・・・・。
文殊の知恵です。笑

最近、更新ペースが落ちていてなんですが、ぼちぼち頑張りますのでっっ。
次回、次々回と読んで頂いて、もやもやすっきりして下さ~~いっっ。

No title

(; ̄Д ̄)なんですと!!
あの本の作者カトリーヌ・ヘミングは、日本人で考古学者!

彼女なら 何かしらの情報を持ってたに違いないのに もう亡くなられてたんですね。。。
そんなぁ...(。-´ェ`-)シュンシュン

「鍵を握る人物が、既に この世にいない。
σ(-c_,-´。) ウゥ-ン...ワトソン君!これは、由々しき問題ですぞ!」

名探偵も困らす この難事件(?)、真相解明は いつ!?
(* _ω_)...アヒョ...byebye☆
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ばけもぐ

Author:ばけもぐ
隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
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