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6.ニアピンな腐れ縁

結局のところ、いくら流されたとはいえ、悠誠の家までのこのことやってきたには、二人の関係が普段はマズくても、犬猿の仲とは言い切れない部分があるからだ。
何故だか、自分は悠誠の押し切りに弱い。
しかも、ここへは、一度ならず、二度来ている。一度目は主将をしていた大学3年の冬だ。あの時も応援団対体育会主将メンバーとの忘年会の後、誘われるままにやって来たのだ。

そして、状況はあの時とまた同じ・・・。

先程脳裏を掠めたイヤな予感が的中し、家に上がってどれだけも経たない内に、床に押し倒される破目となっている。
酒で火照った躰も、フローリングのひんやりとした感触に、一気に体温を下げられていく気がする。
けれども、下がったのは何もそれだけじゃない。やはり、この状況からくる精神的な冷え込みの方が大きい。
結弦は、額から一筋の冷や汗を垂らさせると、身を一つぶるりと振るわせる。

その3年の冬、自分達に何が起きたのか?

1年を通し、歓送迎会、祝勝会、忘年会などと銘打っての飲み会が幾度と行われる。しかも、主将となれば他部との交流で、その数は二倍となる。
そもそも体育会での飲み会など、ビールを浴びるようなものだ。それが、応援団を交えた主将同士のそれともなれば、言うもがなである。
他部の主将に酒を勧められれば、当然の事ながら部の代表としてその威信にかけても辞退する事など出来ない。仮に逆に自分が勧める側にあったとしても、やはりその返杯を断る事も同様に許されない。更に言うなら、もし相手の杯が空となっていたとしたら、酒を勧めるのがここでの常識だ。

しかも、この秋のリーグ戦で、悠誠のところのアーチェリー部といい、結弦の弓道部といい、どちらも好成績で終えた。もともと1部リーグだったアーチェリー部は悠誠の時代もその地位を辛いところなく守り抜き、3部リーグだった弓道部もリーグ内での総当たり戦を1位で勝ち抜いた。そして、その後行われた2部リーグ最下位との入れ替え戦で見事勝利をもぎ取った弓道部は、2部リーグ昇格となったのだった。
リーグ維持や昇格は、主将冥利に尽きるとともに、重い肩の荷が下りる。
けれども、それゆえにいつも以上に祝福モードで迎えられた悠誠や結弦は、他部の主将達から次々と酒を勧められ、それこそ! この忘年会では浴びるように飲んだのだった。

当然、帰途に向かう足取りは覚束ない千鳥足! 吐く事までは無かったものの、二人が理性も記憶も吹っ飛ぶくらい泥酔してた事は間違いない。
お互いどうやってアパートのある辺りまで戻って来たのかや、その後どういう経緯で悠誠のアパートに雪崩込む事になったのかなんて記憶してないが、朧げとはいえそこで“事”が起きたのは重々記憶に残っている。

けれども、男同士である自分達がこんな間違いをしてしまったのには、やはり泥酔するまで浴びた酒の力が大きい。普通ならこんな間違いなど起こりえないのだから。
とはいえ、実のところ、結弦の方にはそれだけとは言い切れないものがあった。

この悠誠の“学ラン姿”に歯車が狂ったのだ。

この忘年会だけに及ばず、出陣式など1年を通じて、体育会では学ランを着用する事が多々ある。
悠誠は日頃軟派なイメージを持っているが、一度学ランを身に着けると、“馬子にも衣装“という諺さながらに、本人馬鹿にしてやまないこの姿が、実に凛として男前度を際立たせる。そんじょそこらの乙女でなくとも、ついうっかりと惚れてしまいそうなくらい、悠誠の学ラン姿は一見の値があるといっても良い程素敵だ。
しかも、応援団と各主将とのエールを取り交わす様子は勇壮で、より雄々しく魅力的だった。
だから、結弦もその意外な艶姿に“見直し”を通り過ごして、自分が男だという事を忘れ魅かれてしまったのだ。

だから、酒だけでなくとも、ガードが緩くなる。

しかも、結弦には、もう一つ誤算があった。

それは自分の隠れた体質。どうやら結弦にはアノ素質があったようで、ヤバい程悠誠の愛撫に感じてしまったのだ。
だから、事が進むにつれ、お互い冗談では済まされなくなり、あれよあれよと流されるままに、最後の最後まで抵抗する事無く致してしまったのだった。

大失態!

けれども、失態したと悟った結弦の開き直りは早かった。事実は事実として受け入れ、心の奥底にこっそりと隠し去ったのだ。
翌朝二日酔いとあの名残に苦しみながらも目を覚ました結弦は、何事も無かったかのようにしらを付き通し、その後の大学生活を無事難なく過ごし去ったのだった。

けれども・・・。

なななっっ・・。お前はまたしてもっっ。酒癖の悪いっ!!
何が親睦だ! 酒もつまみもあると言っておいて、どういう親睦の深め方だっ!
それに、今日は前みたいに男同士で間違ってしまう程、ベロンベロンに酔ってはないだろっ!!
悠誠を見上げる結弦の顔の頬の筋肉が、醜く引きつり上がる。




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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
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