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31.宝珠の夢

翌朝、イセリーニエら4人は昨晩再開を果たしたあの広場へと集まった。
別れ際の彼らの様子とは異なり、それぞれに皆どの顔も神妙な表情を浮かべている。
4人は“おはよう”の挨拶さえまともに交わす事無く、今の気掛かり事! そう、突如降って湧いてきたような日現実味を帯びた夢にみた“お告げ”とも思える事について語り始めた。

「私だけでなく、皆のところにもというのか・・・」
「そうだ。イセリーニエ! 一体何を意味しているかは定かじゃないけど、不思議だ。こんな事は、生まれて初めてだ!」
「ああ、マリオン! はじめてだ。俺達は力があっても、予言は出来ない。だから、にわかには信じがたい事だが、4人が同時にそれぞれのおつげを見たという事は何かを示唆しているという事には違いないな?」

イセリーニエは昨晩マリオンと出会った時にはあれほど歓迎しない相手だという感じだったにも関わらず、今は長年に渡る音信不通さなど感じさせない至極自然な馴染み合った様子だ。
そんな何の垣根もない気軽さで、この不思議な出来事について、情報を交換し合っている。
もうここにいる自分達4人は、運命に従って行動を共にする完全なる“仲間“といった感じで、そうした仲間意識下で接し、互いに働きかけているという事なのだろう。
一晩経ただけなのに、このまとまりようは、かなりの変化だ。

「まっ、それは言える! その“お告げ”とやらが、一体何を意味するかは分からないが、どうも旅に出る前に、今一度お互いのそれについて示し合わせた方が良さそうだ!!」
「ああ。その必要は十分にある。昨日のお前達との再開が引き金となり、かの“運命の扉”でも開いたのかもしれんな?」

4人は現実世界の泉希達の存在を知らない。だから、これが偶然のタイミングで彼らにもたらされたものだという事も、当然の事に彼らには分かりかねる。
そして、カトリーヌ・ヘミングの執筆は、既に4人が出会うとの辺りで途絶えてしまっている。
だから、これから先は夢の住人である彼らと、現実世界の泉希達の力の如何に委ねられていると言っても良い。
今、夢の中の彼らにはそれは分からないまでも、自分の宿命・・・。この世界の終焉に向かって着々と動き出そうとしているのだ。

「“運命の扉”か・・・。やって・・、やるしかないな! その運命とやらに従って・・・。イセリーニエ! この世を終わらせるかっ!!」
「・・・・・」
だが、そんなマリオンの意気込みの言葉に、主軸ともいうべき存在である筈のイセリーニエが乗ってこない。どちらかといえば、今一つ浮かばない顔を覗かせている。
だから、マリオン達もそれに対し、訝しみを見せる。

「ん? 何だかイセリーニエ、浮かばない顔をしているな? もしかして、今更ながら自分の運命に対し従う事に、疑問でも持っているというのか?」
「・・・・・」
ミュルゼンも昨晩からのイセリーニエの微妙な空気に気付いていた。
昨晩、あの場でミュルゼンに“迷いはないか?”と言い持って、その実! 自分の運命に対し疑問を感じ、従う事に迷いを感じていたのは、イセリーニエ本人だったのかもしれない。
そして、あの場ではああ締めくくったイセリーニエだが、今も心のどこかでそれに対する葛藤があるのかもしれない。

そして、マリオンとて、ここ近年は互いに疎遠だったとはいえ、それこそイセリーニエとは長きの付き合い! いつも弱みや歯切れの悪い様子など見せないイセリーニエだからこそ、この今一つな様子におかしいと疑問を感じても不思議な事じゃない。
いや、マリオンがイセリーニエにとっては特別な思いを寄せる相手でないからこそ、マリオンに対しては虚勢を張る必要もない。その辺はミュルゼン以上に分かりやすい部分といえるのかもしれない。
ゆえに、この繊細なイセリーニエの内面の機微を、マリオンが悟れぬわけがないのだろう。
だからマリオンは、イセリーニエが大切に思い四六時中行動を共にしているミュルゼン以上に、今のイセリーニエに違和感を覚えるとともに、その内面の奥深くまでを理解したのかもしれない。

「まっ、お前の気持ちも分からないまでもない。本当に予言通り終わらせて良いかなんて、実のところ分からない。けど、こんな世の中! 何かがおかしい! 力がなきゃ、クズみたいな人生だ。終わらせるなら終わらせるで、それに越した事ないんじゃないか?」
イセリーニエの迷いの元はそこだ!
そこに迷いがないといったら嘘なのである。そう予言されたとはいえ、自らこの世の終焉を望み、その自分の意思でやり遂げようと思っている訳でない。

けれども、マリオンがそう言うなら、そういう納得の仕方もあるかもしれない。
イセリーニエとて、この世界が良いとは、生まれてこの方思った事がない。それに、どこかが不自然だ。
常にそう感じ生きてきたのも事実だ。
そして、更に言うなれば、運命が動き出した今! 自ら自分のこの運命を変える事も出来ないのだから、致し方ないというのも事実だ。

「ああ、マリオン・・・。私達はやるしかない! その通りだ」
「なら、少しでも手がかりとなる“お告げ”について話そうじゃないか!」




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けいったんさん!

そうだ! 彼がいるっ!!
ドラえも~~~ん!!! どこでもドア貸して~~~っ!!

はぁ~、この前のび太くんに貸したら、壊れちゃったんだ。残念だけど、今ないよ。
ガ~~ン。そんなドラえもん! 他の道具を貸してくれよ!
キミ、のび太くんみたいだね! 自分でやらないと…云々。
もう良いよ、ドラえもん! 長い話は苦手なんだ。それにここはネズミが多いから…。
チュウ! チュウ!
きゃ~~~っっ。のび太くん、助けて~~っっ。どっぴゅーーーーん!!!

”ちゅう、ちゅう”ときたら、”タコかいな”でしょう?

No title

「運命の扉」!!それを探さなくちゃ いけないのね!
この世界を終わらす為に・・・か・・・ちょっと複雑な気分だな(´ω`;)

しかし そんな事を言ってる場合じゃないって!
さぁ 旅立とうではないか、諸君!(`・ω・´)ゞビシッ!!

で、何所にあるの?
こんな時は...「助けて~ドラえも~ん♪」って呼んでみる?
呼んだ?...((≡ ̄♀ ̄≡))...byebye☆

プロフィール

ばけもぐ

Author:ばけもぐ
隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
尚、誹謗中傷、未成年の閲覧、画像の無断転用はご遠慮願います。


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