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14.ニアピンな腐れ縁

結弦は朝から泥のように重くなった躰で、一風呂浴びて、昨晩からの汚れを全て流し去ると、食卓を囲みながら再び悠誠と顔を突き合わす。

躰の汚れのように、昨日の出来事もさっぱりと流せたらどんなに良い事か・・・。

けれども、そう簡単に問屋は卸さない。悠誠が向かいでパンを頬張りながら、あの話を蒸し返す。
結弦としては、ほとほとその話題から離れたいと願っているのに、それを許さないのだから、困ったものだ。

悠誠にとっては、余程その事に拘るだけの意味合いがあるのかもしれない。

けれども、やはり結弦にとっては、迷惑極まりない話だった。
しかも、悠誠に借りた服が僅かに大きいのが、何気に自分より体格は勝ると言われているようでもあり、昨日から散々な目に遭わされている事をより強く意識させられるのが、堪らなく苦々しい。

「な? 結弦! もう俺達の仲は言い逃れ出来るようなもんじゃないって、分かるだろ? だからさっ?」
「・・・・、だから何だっ!!」
悠誠が言う通り、確かに誤魔化すにはもう無理があり過ぎる。かと言って、素直に認めるのも至極難な事で、ついと悠誠に返す言葉も苦々とした剣を孕む。
けれども、そんな結弦の態度にも、悠誠はめげない。いや、必死に自分のペースに話を持っていく。

「だからさっ! 結弦!! 今日の今からっ!! 俺達、付き合おう!!!」

けれども、突如飛躍した悠誠の台詞に、思わず喉元を通りかけていた食べ物を詰まらせ、目を白黒させ咽返る。しばらくして落ち着いた後も、結弦のその目尻には薄らと苦し涙が滲んでいる。
だが、これはこのまま聞き流しておく事は出来ない!!

「阿呆!! お前は何を言い出すかと思ったら・・・。よくもそんな事をぬけぬけと!!だが、どうしてそうなる? それに、何でこの俺がお前と付き合わなきゃならん!!」
「何言うって・・・。だから、今日の今から付き合うんだ!! 俺は、喜んでお前に対して、“アノ”責任を取る!!!」
当然、このつれない結弦に躍起になって、そんな風に食って掛かかる悠誠に、今度は頭痛までもよおしてくる。そして、忌々しそうに悠誠を睨み上げながら、こめかみを中指の腹でぐりぐりと押さ込む。

「だからっ!!! 100譲って、お前とそういう事になったと認めよう!! だけど、そうかといって、何でお前に責任取られなきゃならんのだ! お前は、俺が妊娠でもするというのか?」
「妊娠するわけじゃなくても、同じだろ? ・・・、良くない! 俺はしっかり取る!」

「だから、いらん!!」

結弦は、無下にも悠誠の申し出をすっぱりとつっぱねる。
けれども、それは只単につれないというのではない。結弦だって、それにはそれなりの理由やら、信念のようなものがあっての事だ。
だからこそ、悠誠にもはっきりとした意思表示で自分の意思を示すのだ。

「それに言うが、桐山!! “アレ”は何も愛あってのものじゃないだろ? しかも、俺達は男同士なんだから、これ以上の関係はお互いやめておいた方が良い! 分かったら、もうこの話題・・」

けれども、悠誠は表情をむすっと硬化させると、身を乗り出し詰め寄ってくる。
テーブルを挟んでの位置の筈が、間近まで詰め寄られ、そこにテーブルなどないかのようだ。
悠誠の方は、至極必死! 熱の入りようも相当なものになる。

「愛がないって? くそっ!! そりゃ、あるだろ? なけりゃ、出来ない!! それに、結弦? 俺達これでも腐れ縁ってヤツだろ? 普通就職先まで隣になるか? ニアピンとはいえ、こんな偶然続き・・・。こりゃもう! 運命だとしか思えないだろ? 俺とお前、結ばれるべくして、結ばれたんだ!! だから、俺達は付き合うべきなんだよ!」

悠誠はここぞとばかり、都合の良い理由を並べ立てる。
余裕のない必死な男はそう言うだけに留まらず、今にもそのテーブルを乗り越えて、掴みかからんばかりの勢いまである。

けれども、日頃の行いが悪いのか、見た目のイメージが悪いのか、これ程にまで必死となって訴えかけたとしても、何故か結弦の心にまでは響いてこない。
なっ、何が愛だ! 何が運命だっ!!
大体からして、今までそんな素振りなど見た事もないぞっっ。
結弦はそんな風に思うが、男同士なのだから、誰がそう易々と自分の気持ちをおおっぴらに出来るというのか・・・。悠誠といえど、さすがにそんな危険な橋までは渡れない。

けれども、悠誠の気持ちなどさっぱり理解出来ない結弦は、負けじと悠誠のその顔を、胡散臭そうにねめつける。
「口先で適当な事をぬかしても、俺は女じゃないんだから、騙されないぞ!! 言っておくが、俺はお前のセフレもどきになるつもりなど、毛頭ない!! 分かったな!」

けれども、そんな一方的な結弦の言葉に、悠誠が黙っていられる筈はない。肩を掴むと、結弦を一直線に見据えて、言い放つ!
「ちょっと待てっ!! 何がセフレだっ!!! 結弦? とぼけるなよっ!! 愛してるって言ってるだろ? 何聞いてたんだ、本当に・・・。だから、俺はお前に、セフレとしてじゃなく、正式な恋人として付き合おうと言ってるんだ!!」
けれども、悲しいかな? 結弦の口からすぐさま否定の言葉が返ってくる。

「どっちも断る!!」




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テーマ : 自作BL連載小説
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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
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