21.生徒会長は俺のモノ!

「だから、俺がはなから惚れてたのは、あんたになんだよ!! 入学式の挨拶で壇上に上がったあんたを見て、柄にもない事に一目惚れしたんだ・・・」
「なっ・・・。こんな大男に、お前はっっ。趣味の悪い・・・」
またしても寿は、漣の一世一代の告白をそんな言葉でけなす。

けれども、それは照れが入っての事だ。

内館じゃなくとも、大概の事は眉一つ動かさず出来る寿も、さすがに面と向かって“愛の告白”をされれば、肌もピンクに染まる。
しかも、それをしているのが、“本気の愛”とは無縁だと思っていた漣だ。気恥ずかしさも、構えていなかった分、通常の二倍は強く感じる!
だから、表立って現れる反応を、隠せやしない。

そして、漣もいつもならむっとするところだが、こんな可愛らしくも初々しい反応を見せられては、あの裏腹な言葉も照れからきたものなのだと察せられる。
だから、調子付く。
漣は余裕の出たところで、少し意地悪く寿の上げ足を取り、嫌がると分かっていて、寿の顔が一気に真っ青となりそうな、怖くて気色の悪い事柄を告げてくる。

「大男って・・・。だから、あんたを狙っているのは、俺だけじゃない! 鈍感過ぎるあんたが、さっぱり気付いてないというだけだ。でも、その鈍感さは・・・。こうなりゃ、ある意味“長所”だな?」
けれども、漣のあの“愛の告白”に次ぐ、性質が悪い大暴露の中の気色の悪いあれこれも聞き捨てならないものの、付け足しのように加えられた“鈍感”という言葉をやたらに強調されては、そちらの方が悪目立ちし向かっ腹が立ってくる。

「さっきから、鈍感! 鈍感! うるさい!!」
「うるさかない! あんたは、鈍感だ!」
「何・・!!」
「ああ、鈍感だ! 本当の事だから、そう言われても仕方ないだろ? けど、俺の気持ちなんて全く分かってないあんたには、さっぱり気付いてももらえない事かもしれないけど、これでも俺としては最大限に譲歩して、あんたに気を遣って手を出してるんだぜ!!」

聞き捨てならないどころか、漣の言う事はいちいち! 腑にも落ちない!!
何? 気を遣ってだと? 最大限に譲歩してだと?
そうだから、寿の目付きも途端に険しくなる。

「どこが気を遣ってだっ!!」
「分からないか? じゃなきゃ、もっとムリに迫って、奪って・・。あんたを泣かせてる!!」
「・・・・・」

一瞬言葉を失うが、やはり漣の主張には語弊がある。
どこら辺の事を“ムリに”と言うのかは分からないが、それを言うなら自分は既に十分にムリを強いられている。
大体からして、流されたとはいえ、漣には不本意にも一度! 最後まで犯られている!! これには、文句の一つも二つも言っても良いに違いない!
だから、寿はいきり立つと、そこのところをきっかりと正してやる。

「でも、お前!!! この前、俺が正気でない事を良い事に、約束を破って、突っ込んだじゃないか!!」
けれども、直ぐに漣の方も言葉を返してくる。
「だから、その後はずっと“手”だけで、我慢してるだろ? こっちは惚れてるんだ。あんたのあんな顔を見たら、いつだって突っ込みたいに決まってる!!」
「・・・・・」

それなら“手も遠慮してくれ“と言いたいところだが、さすがに本来遊び人で相手に不自由していない漣がそう言うのだから、その主張も分からなくない。
それに、寿も男だ。その辺の我慢の程も、重々心得ている。

そして、密かな事に・・・。寿自身も案外この漣の手練れさに魅了され、抜き合うその行為自体はすっかり互いに望む行為と化している事も事実だ。
だから、やはりの事に、一瞬返す言葉を失う。

そして、その隙を衝いて、漣がここぞとばかりに話の矛先を、先程の保健室であったあれこれについてへと持っていく。
あの場では何の提言もしなかった漣だが、それなりにあの場であった事について一物を持っていたようだ。

「言っとくが、あんた! 俺の事をどんなヤツだと思っているのかは知らんが・・・、まっ、ある程度想像付くけどよっ!! 俺よかさ、余程内館のがヤバいだろ? あんな事・・・、“抱いてやれ”なんて、軽々と言って・・・。千田さんがどんなエロい事させられたって、俺は知らねーぞ!!」
やや忠告めいたそれは、寿にとって只々恐ろしいばかりだ。途端に顔が引きつり、冷や水だって垂れ出てくる。

「そう・・・・・。ヤバい・・・」
「ああ、ヤバいね! きっとあんたの乏しい想像では、その域を軽く超えている筈だ! あいつは正真正銘のドS校医だ! 普通のカップルのソフトSMごっことは、違うんだぞ!! 技術もあれば、道具もある。そして、経験も豊富だ! あったには、きっとどんな事をするかなんて、ちっとも分かってなんかいないに違いない!!」

漣は寿の面前にビシっと指を突き立てて、そう豪語する。
しかも、この漣が滅多に交流のない筈の内館の事をこんなに詳しく知っているのかは、甚だ不思議な事だ。
けれども、今の寿にはそんな事など、気にするだけの頭はない。
何と言っても、昌之の身を思いやるあまり、“凄い”と言うその行為の内容だけがやたらと気に掛かり、余裕を失くしている。




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