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25.ニアピンな腐れ縁

一人あわあわと焦る結弦に、悠誠は“ほら、言ってみた事か”とばかりに舌打ちさせると、気分をどこまでも低空飛行させる。
そして、結弦を唐澤からもぎ取り返すように、唐澤の両手を打ち落とし、結弦を自分の方へと引き寄せると、これまた腐った事に!! 唇を熱く深くぶちゅ~っと重ねてくるのだった。

こうなると、言わずもがな! その場は他のお客も巻き込んで一時騒然となり、もはや何が何だか・・・。そして、飲み会は収集も付かないまま、次回繰り越しという事で、お開きとなってしまうのだった。

だから、その後に残ったのは、掻き捨てるには大きすぎる恥と、肩に重苦しく伸し掛かった疲れ! そして、悠誠の嫉妬と、新たな厄介事!
その三十、四十とした”苦”ばかりだった。

そう、唐澤はこの機を境にして、“俺はお前達の仲を、何が何でも許さん!!”とばかりに過干渉するばかりに留まらず、“それならば!”と結弦への猛烈アプローチの封を切ったのだった。
一見しては氷のような男なのに、その実悠誠に匹敵する炎男な唐澤! そのとんだ相手に火を付けてしまった事は大きな失敗だ。

ゆえに、こらからしばらくの間! その攻撃に、戦々恐々とした日々を送る羽目になる結弦なのだった。

   * * *

結弦の元には、あの飲み会以来、日を空けず唐澤からの熱烈なラブコールや誘いのそれ、そしてメールがどっさりと送られてくるようになった。
やれ一緒に食事に行こうだの、やれ一緒に流行りの映画を見に行こうだの、はたまた運動不足解消を兼ねて公共弓道場へ弓を引きに行こうなど、事に付けて様々なものをしてくる。

当然、その事を面白くない男が結弦の極々近くにいる。

悠誠もこのところトルネード級の警戒オーラを一身に纏い、常に神経をピリピリと尖らせている。
ゆえに週2回、3回など回数を言わず、毎晩のように結弦の家に押しかけては居座り、監視し続けているのだ。
いつの間にかに、これは“同棲なのか?“という状況を生んでいる。
ついこの間までは、半同棲。その前はニアピンとはいえ無縁な間柄だったというのに、至極怖い現象だ。

そして、まともや結弦の携帯の液晶画面が光っているのを見つけ、悠誠が怒りの声を張り上げる!
「あのヤロー!! まだ諦めないのかっ!! 結弦、はっきり言ってやれ!! “お前なんて対象外だ、俺が好きなのはこの俺だけだ”って!!!」
「言われなくとも、一応何度となく断っている。けど、向こうも、“相手がお前というなら、譲らん“と言って、引いてくれないんだ」
「何! 本当にむかつく、キモキモヤローだなっ!!」
「むかつくって・・・。お前も人の事が言えるかっ!!」

結弦とて悠誠がそれを見つければ、こうした言い争いになる事は重々承知している。
けれども、削除が間に合わない程に唐澤からのメールは多いのだ。しかも、無下に着信拒否出来ない相手だというのもあって、こうなると分かっていても防ぎきれないのだから、手におえない。

「でも、何? “今度の休みに、道場へ一緒に練習しに行こう!”だとっ!!! 誰が行かせてやるかっ!! それに、結弦? もし約束していなくても、一人で道場なんかに練習しに行くなよ!! オイツなら、待ち伏せしているかもしれないっ!! ああ、キモい! キモいっ!!」
唐澤もストーカーと同列に扱われ、酷い言われようである。

「一人でって、お前もな・・・。そもそも和弓の事など、“あんな不確定な道具”などと馬鹿にしていたではないかっ!! それともわざわざ弓道場について来て、アーチェリーでもするというのか?」
「なら、転向してやるよっ!!」
「はっ? 心にもない事をよくもぬけぬけと・・・。大体癖が出るから、互いに転向するなどムリだろ? だから、お前は弓道しない方が良い!」

大真面目な事を言って反論する結弦とは対称的に、悠誠は嫉妬心を顕わにする。
「そんな問題じゃ、ないだろ? なら、見学でも何でも良い!! 俺は本気なんだ! 折角お前とこうなったのに、みすみすあんなヤローに渡せると思うかっ?」

怒気荒く捲くし立てる悠誠だが、その実! 結弦は悠誠にどこまでも信用されていない事が、腹立たしい。
お前は何か? やっぱり俺が唐澤を拒み切れず、流されるというのか?
それとも!! 男の俺が弓道場で押し倒されでもして、どうこうされるとでもいうのか?
ったく。むかつくっ!! 大体からして、俺はそんなにか弱くない!
しかもだ! そもそも唐澤は至極慎重で紳士! 悠誠のように無茶に出るようなタイプではない。

悠誠が思っているようなそんな心配など、ありえない事なのだが、基本的に結弦の心の内情までは分りきってないのだから、こんな過剰と思える心配を抱いても仕方がない。
そう、結弦が一言! “男でもその気になれるのは、お前だけだ”とダイレクトに伝えてあげれば、少しくらい安心もしようというものだが、いかんせん! 男だから、口下手だ。
それに、相変わらずな事に、この二人! 言い争いをしようものなら、すぐヒートアップして論点がズレてしまうという悪い癖が出てしまうために、肝心要のこの部分に至る事もないのだった。

そして、やはりこのような事は!! 追い込まれたり、酒でも入ってない限り、面と向かって伝えるには恥ずかしい事この上ない事柄で、そういった意味でもそうそう自ら進んで明かすに至らない事だった。
ゆえに、悠誠が結弦の本心を知る事を阻む要因が重なり合って、事態を必要以上に複雑にしているのだった。

だから、こんな調子で、結弦はすっかり悠誠と唐澤の間に板挟みとなってしまい、この頃休まるところが全くといってなくなっていた。
だからこそ、その煩わしさに嫌気がさし、ついと投げ槍な態度にもなってしまうのだ。
近々大学で行われる、現役学生との交流の機会である“OB・OG射会”に、唐澤共々参加する事となっているのだが、未だにその大事な事を悠誠になかなか告げられていない。。

何と言っても、後々の事を考えれば、面倒の極みでしかなのだ!

そう、言ったら最後! この前の二の舞! 悠誠は“絶対に俺も行く“のだと言い出しかねない!
けれども、その“OB射会”はこの前の飲み会とは、意味合いがまるで違う! 部外者である悠誠は見学といえども、遠慮願いたいところだ。
しかも、この前のように唐澤と絡む事となるようならば、恥の上塗りとなるのも必至! 何としても避けたいというのが本当のところだった。

ゆえに、打ち明けない内に、日だけがどんどんと過ぎていってしまう。
そして、結局! 結弦は、悠誠には内緒で射会に参加する事にするのだった。

   * * *




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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:ばけもぐ
隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
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