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29.生徒会長は俺のモノ!

内館は寿がそのクリップを素直に受け取った事に満足したのか、その後は意識を極端に寿や漣から薄れさせてしまう。もはや昌之にだけ注がれている感じだ。
二人は寿達がまだ保健室に居る事も構まず、二人だけのSMワールドを広げている。

“もう後ろの方は許してあげるから、背を向けて立って、お尻を高く突き出しなさい”“このお仕置きを頑張って済ませられたら、たっぷりとご褒美をあげるから”“でも、出来なかったら、またお仕置きだよ”などと、聞いているだけで頭がおかしくなりそうな事ばかり語り合っている。
しかも、“ご褒美”でも、“お仕置き”でも、その悦びの内容に大差がないのだから、この二人! やはり、常人ではない。

だから、この空気の中にいるだけで、危うく寿は廃人化しそうになってしまい、それをヤバいと感じた漣が慌てて外へと連れだしていく。

まさに間一髪! もうすぐで毒されてしまうところだった。

けれども、安全な場所へとやってくると、先程の事が蘇り、空恐ろしくなってくる。
ぜいぜいぜい・・。あ、あれは何だったんだ?
見てはいけない世界を見てしまった気がするっ・・・。

先程の事は、平平凡凡と過ごしてきた寿には刺激が強過ぎて、トラウマになりかねない出来事だった。
けれども、寿の手には未だに内館に手渡された何の変哲もない文房具のクリップが、しかと握られている。

とはいえ、何も内館の命令が呪縛のように寿を縛り付けているからというだけの事ではない。
頭を冷やせば、何の事・・・。それを実行しなくとも、内館には分かる筈もない事なのだから、大した事ではないのだ!

だから、一層の事、その辺に捨ててしまったら良いのだ。

けれども、何故か捨てられず、漣と共に逃げ帰ってきた今も、寿の手から離れさせられないままでいるのだ。

うっ、うっ! こんなモノ~~~っ!!

そんな風には思うのに、何故だか・・・。思い直しては、大切な何かの如くこっそりとポケットの中へ放り込んでしまう。
自分の不可解な行動に複雑な念を抱きつつも、考えれば考える程歓迎出来ない結論が導き出されるような気がして、怖い! だから、一思いに終止符を打とうと、顔を上げる。

けれども、一部始終寿の様子を見ていた漣と、その視線がバッチリとぶつかり合う。

げげげっ・・・。
訝しむような、咎めるようなその目の色に、思わず頬の筋肉が引きつるのを感じる。乾いた笑いだって、気を引き締めていなければ、口の隙間から出てきそうだ。

「あんた、それ・・・。捨てないのか?」
「いや・・・・・・。何となく・・・・・・・」
焦りと共に、だらだらと冷や汗が噴き出てくる。
すると、漣は急にニヤリとした意地悪そうな笑みを浮かべると、寿を食い入るように見つめてくる。

さすが内館の血を半分引く男! あの校医を彷彿とさせるものを、今この漣にも感じた!!!

えっ!!! あれっ・・・・・・・。

「それとも、もしかしなくとも・・・。あんた! 付けて欲しいのか?」
“うん”とも“うんん”とも言えず、困り果てる。
寿も自分自身の事が分らない。信じたくはないが、それを付けてみたいような気がする自分がどこかにいる。

「いや、その様子じゃ・・・、図星というところだな?」

けれども、そう言われると、はむかいたくなるのも寿だ。今度は打って変わって、必死に抗議する。
だから、寿は確かに“M”の要素を持っているのかもしれないが、内館が言うように“生意気なM男”というヤツなのかもしれない。

「なっ! そ、そんな事、あるかっ!! 勝手に決めるなっ!! これは至って普通の文具だろ? 普通にクリップとして使えば良いと思っただけだ!」

けれども、寿の言い訳を、漣は訝しむ。

「単なるクリップね・・・。そんな風に思っているようにはとても・・・」
「本当にそう思っているんだ。う、疑うな・・」
しどろもどろに対抗したところで、その信憑性など薄い。けれども、漣は一応のところ、自分の意見を引っ込めると、寿を立ててくれる。

「なら、別の使い道を必要とした時には、他に頼らず、俺に頼むんだな! そこのところだけ、守ってくれるなら、俺はもう! 何も言わない!」
漣が差し向けてくる朗らかな笑顔が、”俺はあんたが好きなんだ””望むならどれだけでも応えるが、望まないなら未開発のままで良い”とでも言っているようだ。
だから、より面映ゆくなり、悪態をついて誤魔化さないといられない。
「だっ、誰が・・・。そんな事する気になるかーーーっ!!!」

けれども、そう叫んだところで、タイミング良くなのか、悪くなのか、漣同様寿を探していた副会長の蒔田とばったり廊下で遭遇する。

「やっと見つけましたよ、“会長”の羽生さん!!」
厭味ったらしくわざわざ肩書まで付け加えてくるあたり、その蒔田の食えない人となりを如実に物語っているが、それ以上に今しがたしていた漣とのやり取りの内容が内容だけに、後ろめたさを感じ、いつもに増して気まずい空気が流れる。
しかも、目を合わせた瞬間、銀縁眼鏡の奥でギロリと鋭く光るものを感じ、肝を冷やし、その場に凍り付く。

な、な、な、な、な・・・。何だ~~~っ。
相変わらず、こいつ・・・・・。ああ、苦手だ。




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テーマ : 自作BL連載小説
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