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34.ニアピンな腐れ縁

あんな事があってからしばらく経った頃・・・。
いつもの如く悠誠と仕事帰りに合流し、食事を済ませた後、何とはなしにそのまま悠誠のアパートに寄って、TVの野球観戦を見ながらくつろいでいると、悠誠がその画面から目を背ける事もせずに、突拍子もない事を結弦に告げる。

「結弦・・・・。“結婚しよう!!”」

「はっ?」
あまりに唐突な話で、すぐには理解が付いていかない。
思わず素っ頓狂な声を上げると共に、自分の中でもう一度悠誠の言葉を復唱させて、一体からして悠誠がどんな事を言ったのだろうかと、理解を深めようとさせる。

けれども、こんな悠誠の不意打ち攻撃など、付いていけなくて、当然だ!
とてもじゃないがそんな台詞が出てくるような雰囲気でもなければ、あまりに突拍子過ぎる。

とはいえ、悠誠らしいといえば、“らしい”!

高級なレストランを予約したり、わざわざケーキやシャンパンなどを用意して晴れの日のホームパーティのようにしたり、はたまた泊りがけの旅行をセッティングしたりなど、特別な“晴れの席”を装わないところが、悠誠の日頃から決め過ぎないその姿勢が良く現れている。
だから、見方によっては軟派だと言われる部分でもあるのだが、それは悠誠の日頃から体育会体質を“ダサい、ダサい”と馬鹿にしては、どこか冷めたような態度を取っているような、そういったところに実に通じているように思える。

けれども、その体育会体質も“嫌よ、嫌よも好きのうち”で、本当のところは悠誠も愛してやまない一人なのだから、単に何事にも“はりきり過ぎる”のが、“照れくさい”だけなのかもしれない。

だから、一丁前の大人とはいえ、悠誠にはこんな可愛らしい一面があるのだ!

けれども、どちらかといえばそんな悠誠と真逆のタイプである結弦は、この言葉の意味が次第に呑み込めてくると、あまりの突拍子の無さに呆れを感じる。

一体からして、お前の頭の中はどうなっているんだ? 何で突然そうなる?
しかも、日本では男同士の結婚は出来ないだろう?
本当にっ!! どういうつもりだっ!

そんな白々とした思いが、わざわざ貼り付けでもしたかのように、思いっきり表情に出る。結弦も隠そうとしないのだから、至極当然の事だ。
けれども、それを窺い見た悠誠の顔が、やや強張る。

「だから・・・。俺としては、それくらいの気持ちで、“お前を繋ぎ留めたい”という意味だ・・・」
憐れな事にも、悠誠は先の発言をフォローするかのように、言葉を付け加える。
「・・・・・」
それに対して何も返ってくる様子もない事に、悠誠の顔が引きつれる。
焦点をはぐらさせるように告げた悠誠も悪いが、決死のプロポーズの反応がこれならば、誰だって凹む。
後はもう、より誤魔化すように言葉を盛るだけだ。

「なっ・・。俺はそれだけお前に惚れてるというだけだ・・・。だから、どこかでそう心得ていてくれたら・・・、良い・・・」
最後は勢いも失って、声も萎む。

自分の思いが通じて、心から応えてくれたと思ったが、やはり自分とは思いの程が違うのかもしれない。取りあえず、大して期待はしていなかったもの、これでは撃沈だ。
そういった意味でも、場を整えた上でしっかりと決めるような真似は出来なかった。
“No.”となった時に備え、あくまで“冗談”として受け流せるような予防線を張れる状況でなければならなかった。
男らしくないかもしれないが、愛し過ぎているからこそ、最悪な結果! “無”とはなりたくなかった。

けれども、不安に思っているのは悠誠だけで、結弦はこの悠誠に結構なまでに惚れている。

やはり、その辺は性格の違いで、悠誠のように激情家ではないからそんな風に取られがちだが、結弦にとっては悠誠との恋愛は最大級のものなのだ。
だから、悠誠にそう言われれば至極嬉しいし、その返答も決して軽んじられないと思っている。

「・・・分かった」

結弦は噛みしめるように、ただそう告げる。
けれども、またしても言葉少ない結弦のそれは、どのあたりが“分かった”なのだか、いまいち分からない。
結婚して良いとろいうのか! 至極愛されているのだと理解したというだけなのか!
受け取る側は、もやもやとしたものが残る。

けれども、事実! 悠誠の思いを丸ごと“引き受けた”というのには違わない!

だから、確証云々を問わずとも、それで十分なのかもしれない。
しかし、この言葉がきっかけで、二人の関係がまた大きく前進した事は言うまでもない。
何やかんやと言いつつも、二人は同棲生活する事を決め、新居探しをする事、数週間! 晴れて事実婚生活をし始める事となるのだった。
しかも、二人の薬指には密かにペアリングなるものまで嵌められていたりするのだから、心配いらぬ仲の良さ加減だ!

けれども、それで困難はなくなったのか? というと・・・。




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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
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