35.ニアピンな腐れ縁(最終話)

「桐山!!! いつの間に、こんな・・・。お前が棟方を唆したんだな? そうに違いない!!」
引っ越して早々、やってきた客というのが、あの唐澤だ! 結弦にきっぱり対象外宣言されたにも関わらず、唐澤は小姑よろしく何かある度に悉くといって口を出してくる。しかも、唐澤のお小言は、ちょっとやそっとでは終わらないのも常だ。

「それにだな? 桐山っ!! お前の事だ! “俺の”棟方に、何か変な行為を日々強要してはいないか?」
なっ・・・。唐澤も何を言う!!!
“変な行為”と言われ、咄嗟に心当たりのある行き過ぎた行為の数々に思い当たり、結弦は思いっきり横へと頬を引きつらせる。

「そもそも結弦は“お前の”ものじゃないっ! “俺の”だ! それに、変な行為・・・? それを言うなら!! 結弦もHの時、悦んで胴着を着てくれている。だから、俺もそれに応えて、学ランをきてやってる!!」
飛び出した赤裸々な告白に、思わず卒倒しそうになる。

おっ、お前も何暴露してるんだっ!! 怒!!!

確かに、悠誠が言う通り、最近では“袴H”の時は、さもその対であるかのように、悠誠が“学ラン”姿となると相場に決まってしまっている。
というのも、ある時の事だ! またしても袴Hに持ち込もうとした悠誠に、結弦がついポロリと“悠誠の学ラン姿が好きだ”というような意味合いの事を吐露してしまった事に始まる。

「何で、お前はそれにばかり拘る?」
「そんな事言うけど、アレは格別に“イイ”んだ! それに、俺はお前の胴着姿には・・・、思い入れがあるんだ・・・」
やや不貞腐れた感じではあるものの、恥ずかしげもなくそんな事を宣言してくる悠誠に、聞いている結弦の方が恥ずかしくなってくる。

「お前こそ・・・。格別、思い入れって・・。散々、学ラン姿を“嫌いだ”、“ダサい”とか言ってる割には、お前こそあの姿が似合うじゃないかっ!!」
すると、悠誠は虚を衝かれたようなポカンとした表情になる。それでもって、今度は手を顎に遣ると、はたと考え込むような様子を見せる。

非常に嫌な予感がする・・・。

「学ラン? 俺の学ラン姿・・、がか?」
返ってきた言葉にマズいと思っても、遅い! 胸のうちにこっそりと置いておこうと思った事だが、既に言ってしまった事だ。もう、開き直るしかない。

「・・そうだ。言って、悪いかっ!! 言っとくが、あの学ラン姿がなかったら、今こうしてお前とこんな事になどなってない!! その気にもならなければ、即効手を出されそうになった時点で、力付く排除してた!!」
「結・・・。お前は、そんなに俺の“学ラン姿”が好きだったのか・・・。なら、やっぱり高校は転校してまで海王子に行っておくべきだったな・・。それなら回り道なんてせずに・・・。もっと早くこうしていられたのかっ、・・くそっ!!」

悠誠は嬉しそうに、でも少し残念そうに、その表情をくるくると変える。
それこそ以前は悠誠の不貞腐れたような顔ばかりしか、拝んだ事がなかったのだから、ここ最近で随分いろんな悠誠の姿を知った気がするだけでも、二人の関係は以前と全く違う。
そんな様子を見ているだけで、何やら微笑ましい気さえする。
けれども、それに続いて悠誠が言った一言が解せない!

「でも、そうか・・・。お前は“自分が胴着を着るなら、俺にも学ランを着ろ”って言いたいのか? でも・・・・・、悪くはないっ!!」
「何でそうなる? そういう意味じゃないっ!!」
語気を荒めて言うが、そんなプレイをしたいと思った事などは・・・・。多分・・・ないっ?! 自分自身にやや自信が持てなかった。

「なら、このダサい“学ラン”着てやるから、お前も早く“胴着”に着ろよっ!!」
「なっ・・、おいっ・・・・・」
戸惑う結弦なんて何のその! 言うが早いが、さっと学ランに着替えた悠誠に、眩しい程の学ラン姿でダメ押しのように迫られる。
だから、またしても悠誠に押し切られ、あのあやしげな“袴H”をする羽目となるのだった。

しかも、そんな悠誠の姿に煽られた結弦は、いつにも増しての乱れ様を晒す羽目となり、益々この悠誠を付け上がらせてしまう事となったのは言うまでもない!
だから、“学ラン&袴プレイ”はその後1度や2度では終わらず、今や二人の中で定番中の定番プレイとなりつつあるのだ。だから、今しこの弓胴着も、弓道で使うよりも断然こちらでの使用頻度が高くなっているのだった。

ああ、嘆かわしい・・。

けれども、これはあくまで二人の睦言でも決まりであって、何も今、この唐澤に暴露しなくとも良い事だ!
しかも、この暴露劇にいつもの如く発奮するかと思った唐澤の様子が、何だかおかしいのだから、益々引く。

唐澤の事だ! まさか惚気にあてられたわけではないと思うが、言葉の勢いもなく「何だと・・・・」と返した後は、只々表情をデレっとだらしなくさせたり、頬をほんのりピンクに染めたりと、ころころと七変化させているのだから、平常ではない。
だから、ここぞとばかりに悠誠が唐澤を突く。

「今、お前!! こいつの“袴H姿”を妄想しただろ? ・・・ん? いや、お前は俺と同じで、大学時代からそんな妄想をしていたに違いないっ!!」
「何っ・・・・・・・。いや・・・・。そ、そんな事はっっ・・・」
唐澤も悠誠に詰られてしどろもどろとなっているあたり、それは図星だったりするのかもしれない。

「やっぱりかっ!! そうだと思った! 大学時代、外でお前らが巻き藁練習している時だって、“棟方、見てやるから”とか言って、これ見よがしに“指導”と称して肘や肩甲骨をベトベトと触っていただろう? このムッツリスケベがっ!!!」
「何っ! 下心がなかったかといえば・・・・。それはやっぱり・・、嘘だが・・・・。だけど、だけど、だけどっ!! そんなエロいプレイをしているお前に言われたかなーーいっ!」 

結弦の心知らず! やはりこの二人の会話は留まる事を知らず、結弦そっちのけで、やんややんやと恥ずかしい限りの内容をぶちまけ、ぶちまけ、言い争いをする。
だから、結弦もその恥ずかしい会話を聞いて憤死するどころか、自ずと意識が次第に遠のいていって、鉄壁の“無の境地”! 自己防衛に入る。
そうでなければ、この二人の性で、頭がおかしくなってしまいそうだ。

とはいえ、いくら自己防衛したとしても、キリがない。
まだこんな唐澤が介入するような生活がしばらくの間続けば、その度といって悠誠の暴露劇が待っている。しかも、その挙句嫉妬した悠誠に当て付けのように“学ラン&袴H”に持ち込まれては、泣かされる事となるのだから、幸せといっても!! つくづく“貧乏くじ”な結弦なのだった。

   - 完 結 -




おまけ番外編① /  / 初回 / 総合目次

いつも読んで下さり、ありがとうございます!
よろしければ応援ポチリして頂けるとうれしいです
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

ばけもぐ

Author:ばけもぐ
隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
尚、誹謗中傷、未成年の閲覧、画像の無断転用はご遠慮願います。


当ブログ目次↓
dreamtripbana.jpg

ランキング参加しています!
よろしければ応援お願いします!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
人気ブログランキングへ


現在の閲覧者数:


おすすめトラコミ&サーチ
にほんブログ村 トラコミュ ボーイズラブへ
ボーイズラブ
にほんブログ村 トラコミュ BLイラスト・漫画・小説何でも書いちゃう!へ
BLイラスト・漫画・小説何でも書いちゃう!
にほんブログ村 トラコミュ 小説15禁・18禁(性描写あり)へ
小説15禁・18禁(性描写あり)






サイト
dreemtrip.gif

最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新コメント
QRコード
QR