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40.生徒会長は俺のモノ!

あわやどころか、相当な危機に見舞われた寿だが、何とか最後まで身を許す事なく済んだ。
何よりも、自らの心と、そして唇を死守出来た事は喜ばしい。
だが、不用意に弄ばれた躰は昂ぶり、逃げ失せた今も未だに収拾のつかない状態にある。
いや・・・、抱きかかえられるようにして、漣の体温を感じているからこそ、なかなか鎮まっていかないのかもしれない。

やはり自分の心は、もう! この漣にある。

「勝ゃまっ・・・・・。れっ、漣・・・」
寿は漣の上着をぎゅっと手繰り寄せる事で引き留めると、その拍子に振り返った漣の顔を、見上げるようにしてじっと見つめ返す。
その寿の表情があまりにも切羽詰まったものだったからか、漣は目を瞠(ミハ)って驚く。

「・・・・・」
「漣・・・。こっ・・、のままじゃ・・・・・。お前が欲しい・・。お前しか・・、もう・・・・。駄目なんだ・・。俺は、お前が良い・・・」

内容も去る事ながら、場所もはばからず、願ってもない相手からそう告げられては、漣といえど悦びを隠せない。
蒔田の襲撃で二人が被った害は、とても許す事の出来ない甚大なものだったが、なかなか自分の方へとなびいてくれず手を拱いた寿への淡い恋が、ようやくの事に実りを見せてくれたのは、かけがえのない事だ。
それでも、やはり! 今までの寿の態度からすれば、にわかには信じがたく、瞼を2度程瞬(シバタ)かせる。

「あんた・・・。本当に、俺が良いのか? いや、その・・・。俺で、良いのか?」

その問いかけに、寿は考える間もない程即座に、首を慌ただしげに振って頷き返す。
そうなれば、後はもう・・・。言わずもがなである!
二人はなるべく人目を避けるようにしていつもの屋上までやってくると、身に着けたものを剥ぐ間ももどかしいとでもいうかのように、そのままもつれ合い重なり合うと、性急に互いの身をまさぐり合う。

しかも、漣とする確かめ合うような深い情交のキスは、躰の芯まで蕩け一つに混じり合ってしまうかのように、激しく甘い。
「・・ぅんっ・・・・」

やはり、この漣とのキスに対しては、全くの不快も嫌悪も抱かないのだから、あれ程散々と拒み続けていたにも関わらず、寿はこの男に惚れているとしか言う他ない。
しかも、ただ唇が触れ合っているだけにも関わらず、溢れ出す程の悦びが内からどんどんと湧き上がってくる。
あの蒔田から口付けを、何としても拒んだ甲斐があるというものだ。

けれども、その事は漣はまだ知らない。

「ああ、忌々しい・・。縄男め・・・。あんたのここも、あこそも・・・・。最後まで奪われなかったのは救いだが・・・・、くそっ!!!」
漣は苦々と吐き捨てる。
指で後孔を弄っていたのは現場に居合わせていたのだから、百も承知の事だが、それ以前にこの唇も当然蒔田によって奪われているに違いないと思い込んでいる。
なんせ・・。もし自分が逆の立場ならば、何としてもそこを奪ってやろうと思うからだ。

毒虫を噛むが如く、渋い表情で歯を軋ませる。
そして、それならばその記憶を今から俺が上塗りして、無きものの如くに消し去ってやるとばかりに、情熱の赴くまま再び寿のそれに真っ直ぐに向かってくる。

けれども、寿はその漣の台詞で初めて、自分達の間に誤解がある事に気付く。
これから二人で良好な関係を築くためにも、この男を悦ばすためにも、ここは是非ともその事実を正しておかねばならない!
寿自身も、自らの衝動をも抑え、自分に向かってくる漣のそれを掌で制する。

「漣・・・・。あいつには不本意なまでにいろいろと弄ばれはしたが、キスまではしていない!」
「・・・・」
「断固として・・、その・・・。“お前のために”死守した!」
「・・俺の。・・ために、か・・・?」
漣は表情を驚きで一杯にしながらも、確かめるようにその言葉を繰り返し噛み締める。

・・・“お前のために”死守した!

今までの寿からして、自分がそんな言葉をもらえるようになるとは、よもや思いも依らない。
ましてや! “この人こそは!!”と思う程好きな相手に、“お前のため”と言われて、嬉しくない筈がない!

しかも、言うなれば、その言葉は寿の自分に対する思いの核心を衝く、かけがえのないものだ。
というのも、口付けこそ、本当に心を許していない相手とは出来ない事だ。
だから、以前漣も、心の伴わない寿に対し、奪うのをためらった場所だった。

とはいえ、何の事はない! セーブするよりも自らの要求の方が上回ってしまい、結局のところはどさくさに紛れて奪ってしまったのだが、今こうして思えばその時から寿が自分に心を許し始めてくれていたのかもしれない。
言外にその言葉以上の意味合いや思いを感じ、またぞろその悦びがじわりと湧き上がってくる。

だから、漣が、“これがあの問題児! 勝山漣なのか?“と印象を新たにするような、悦びから来る極々自然な柔らかい微笑を見せる。
本当に、この男! 普段からそんな表情をしていたのなら、どんなに印象が良く、先生などの受けも良くなり、もめごとの“も”の字も出ない程それと無縁な生活が送れるであろう事か・・・。

「そうだ! お前なら・・、良い」
「まいったな・・・。あんたには本当に敵わない!」
漣は寿の首の後ろの手に力を込めると、その身を引き寄せ、再び息も付けない程激しく唇を奪う。
それこそ、漣の寿に対する情愛の深さを物語る衝動だ。

やはり蒔田の事は未だに許せない。けれども、それで寿が漣への思いに気付けたのだから、何も損した事ばかりではなかった。
いや・・・、漣にとっては憎き男とはいえ、その存在に感謝すべきかもしれない。
そうではければ、寿との恋は遅々として進展していなかったに違いない。

やはり漣にとっても、思いが通じた相手のキスは格別なものだった。




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テーマ : 自作BL連載小説
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