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6.下戸エロ体質

長澤は頭を2,3度振って、頭に浮かんだ何かを打ち消そうとする。そして、それで上手くいったのかどうだか、また真剣な表情を作ると、由貴を何とか諭そうと必死に出る。
「なら、せめて家に帰るんだ! 俺が送って行くから、帰ろう? な? 西嶋!!」
長澤もこんな駄々っ子は初めてなのだろう? 相当手を焼いているといった感じで、半ば由貴が“うん”と頷くのを願っているように思える程だ。

けれども、由貴としては自由が欲しい。しかも、無駄に時間を取ったからには、今から一旦家に戻ってから出直す余裕はない。
だから、由貴も切羽詰まって、再び長澤をそんな欲情に浮いた双眸で睨み返す。

すると、長澤がより困惑した表情となる。しかも、喉がゆっくりコクリと上下に動くのが、由貴の目に飛び込んでくる。
そんな男の焚き付けられた表情を見たなら、自分の衝動はもう止める事が出来ない。

“抱かれたい”

由貴の中は、それ一心に傾いてしまう。
ああ、もう長澤には発情した自分を誤魔化せやしない。心底、開き直るしかない!!

「だから、俺は・・・・・。酒癖が悪いったら、何の・・・。呑むと誰それ構わず、やりたくなるの。それこそ、相手が男だろうと何だろうと、どうでも良くなるの。気色悪いだろ? だから、構うな! これでもそっち系のヤツらに、一応はモテるんだ・・・。だから、相手には不自由しない。自分でちゃんとケリを付けれるからっ!! お前も分かったなら、もう! さっさと、どこかに行ってくれ!!」

由貴は半ばやけくそ! 情けなくも投遣りな気分で、一気に捲くし立てる。
すると、言わん事ない! 長澤は驚きのあまり、その場に硬直して、呆然と立ち尽くしている。
けれども、そんな反応など、今までだって良くある事だ。今更一つショックな出来事が増えたからって、傷付かない!
ただ、歓迎出来ない事に、その相手が同じ社の職員というだけだ。

とはいえ、これ程までに誠実な長澤なら、こんなマイノリティーな悪癖を暴露したところで、他に言いふらすような事は考えられない。
ただ、自分達の間に、ギクシャクとした溝が生まれるだけだ。
けれども、元々長澤とは親密な関係にあったわけじゃない。だから、それが出来たとしても、今の関係と差程変わりはしないだろう。

「誰それ・・、構わずって・・・・」
「だから、何? 悪い?」
「いや・・・・・。それは、かなりマズいだろう? もし万が一にも、犯罪に巻き込まれたら、どうするんだ? 取り返しのつかない事になる!!」
「だから、大丈夫ってぇ! そうは言っても、少しは相手を選んでる! いくら俺でも、危なそうなヤツのところには、すすんで行かない!」
「いや、でも・・。そんな事を聞いたら、余計に無責任には帰れなくなった!」

こちらは恥を忍んで吐露したというのに・・・。
耐えに耐え抜いた由貴の堪忍袋の尾も、ついに切れる!
由貴はだらしなく掛かっていたネクタイを一気に引き抜くと、ボタンが弾け飛ぶのも構わず、Yシャツの前を大きく広げ、長澤の目に赤々と上気した肌を晒す。
「長澤! 見ろよっ!! かなり火照っているだろ? もう、限界なんだよ!!」

熱に浮かされた肌はやや汗ばんで、みずみずしい。視覚的にも、男を誘う。
「そそるだろ? 自分で言うのもなんだけど、メス犬のように発情してるんだ! これ以上、こうしてるのは、耐えらんないの! もう、我慢できないのっ!! だから、一刻も早く移動して、誰かに抱かれたいんだ! 分かるだろ? 分かってくれよっ!!!」
「でも・・・・・」
「でも? まだ何かあるの? ならさ、お前! “無責任にも”って言うんだったら、お前が俺を介抱してくれるって言うの???」

由貴がそう言った途端、長澤がまた困ったような表情になる。しかも、驚いたように「えっ・・・」と言葉を詰まらしたまま、黙り込んでしまう。目も焦点が定まらず、右に左にと泳いでいる。
・・・ほらっ! いざとなったら、そんな風に引くんじゃないかっ!!
それなら、はじめから世話を焼くな・・・。
その気もない癖に・・・・。

「分かっただろ? 俺は男に抱かれたいのっ! こんな風に、飲むと無性に男とやりたくなるから、普段は絶対に飲まないようにしてんの! ・・・お前もさっ、その気もないんだから、余計な世話なんか焼いてないで・・・・。もう帰れっ、帰れよっ! 放っとけよ・・」
けれども、投遣りに捲くし立てる由貴に変わって、今度は長澤が勢い立つ。

「その気もないって? ・・・・・でもさ? 行きずりなんて、良くないだろ? 馬の骨も分からないようなヤツ・・・、病気とか持っていたらどうするんだ?」
「良くなくても、何でも・・・。こうなりゃ、仕方ないんだよ!!!」

「言っておくけど、俺は・・、その・・・・。その気がない事も・・・・・、ない」

「えっ・・・・?」
一瞬、由貴は耳を疑う。こんな真面目な男が、男としても良いなどと言う事があるのだろうか?あってはならない選択肢の筈だ。信じ難い。
けれども、続いて発した長澤の台詞が、はっきりとその意思を肯定する。

「その辺の訳の分からないヤツより、マシだと思うなら、俺にしろ!!!」




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