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2.隣人

高校当時の大和といえば、若い分肌ははち切れんばかりのみずみずしいもので、少し鼻持ちならない生意気さが逆に良い味となって、右に出る者はいない美少年ぶりを発揮していた。しかも、古き悪習の残る男子校に通っていた大和は、取り巻きが出来る程ちやほやと持て囃されていた。

確かに自分で当時を振り返ってみても、そんじょそこらにはいない程の稀有な美少年だったと思う。
育ちきれていない体躯は華奢で、どことなく儚さが漂っていたし、大きな目元や柔らかな色素の薄い髪はその繊細な容姿に非常に良く合っていた。

けれども、28歳となった今でも、穢れのなさそうな天使と見まごう美少年さはなくなってしまったものの、美しさはさほど遜色がない。
どちらかと言えば、色事を覚えてしまった今は、嫌でも内から艶っぽい色気が溢れ出し、危険な香りを漂わせ、他を惹きつけている。
だから、良く人には“魔性”を感じると言われるのだが、そういったところがそのように思わせる所以なのかもしれない。

そして、若かりし頃からそんな美貌を持っていた大和は、天狗となっていた。だから、図にも乗った。
高にモーションをかけ、自分の虜となったところでこっ酷く振って、これとない位に痛めつけてやろうとしたのだ。

しかも、高も同じ高校に通っていたから、近づくのは容易だった。
そもそも高校進学に関しても、お隣の息子が県内でも有名な私立進学校に進むと聞きつけた母が、そのエゴで大和を送り込んだからだったのだが、大和にとってもそれは好都合となった。
更に、高もこの悪習に感化されていたのか、思いの外すんなりと大和の策に乗ってきた。
けれども、世の中思い通りにならない事の方が多い。

ミイラ取りがミイラとなり、虜となったのは、罠にかけようとした自分の方だった。

大和の心とは裏腹に、体を重ねれば重ねる程、高に対し並々ならぬ思いが募っていった。だから、こっ酷く振る舞うどころか、密かにこのままずっとこの関係のままでいたいなどと、望むようになっていった。
こんな抜け出せない程、高にのめり込んでしまい、至極後悔したけれども、“後の祭り”だった。どんどんと募っていく恋心を、何ともしようがなかった。

けれども、そんな大和の思いとは裏腹に、突然の終わりはやってきた。

大和とそういう関係であるにも関わらず、酷にも高に女の影を同時に幾人も見たからだ。
とはいえ、そもそも自分達の関係は単なる体の付き合いの延長という感じで、愛を交わし心の通じ合った恋人同士ではない。
要は、セックスフレンド止まり・・・。
だから、大和にそれを咎める権利はなかった。

それに、高は当時から至極モテた。あんな良い男なのだから、女が放っておかなくても仕方がなかった。
本当のところ、見た目は女以上に綺麗な大和であっても、高が堅い男の肉体をしている自分よりもそちらの方が良いと思っても、それが当たり前だと思っている。

けれども、母親譲りのプライドの高さが“よそ見“を許さなかった。

自分と関わるなら、“オンリーワン”でいなければいけない!
それは高に関わらず他の者に対しても、遊びの関係であっても、それを求める自分がいる。今でも、そこは変わらない。

しかも、母譲りの高過ぎる大和のプライドは、どんなに高を好きでも、“縋る”なんていうみっともない真似をさせはしなかった。
身が引き裂かれる思いだったにしろ、自分の肉体の一部が切り取られ去るような痛みを伴っていたとしても、大和は掌を返したように、すぱっりと高を切り捨てた。
そして、高にその姿を当て付けるかのように、別の男に乗り換え乗り換え、渡り歩いた。

でも、これは決して心から望んだ事ではなかった。
大和も引く手数多であったから、次々と自分の元に男がやって来たからだ。本当に・・・、高と別れてから今まで、身があくような事は一度もなかったのだ。
けれども、高以降本気になれる相手は現れもしなかったし、せめてその穴埋め出来るような相手もいなかった。

そして、その現状は今でも続いている。

また、続いているのはそんな不本意な状況だけではない。
高に対して強過ぎる対抗意識も、好きだという気持ちも、未だ変わらず、大和の中に混在して存在し続けている。
特に、対抗意識については、生まれついてから脈々と続いているものだから、取り払いたくとも、大和自身もどうしようないものなのだ。
だから、そんなままである以上、高と会いでもしたらたちまちの内に燃え上がる。

ゆえに、高の顔を目にした途端、その対抗意識が大和の胸の内を熱く焦がすように、静かに焔を上げ、燃え盛っていた。
だから、今の自分の格好を見れたなら、一目瞭然! どういう理由で帰って来たのかが分かってしまう事に、臍を噛む。

今更ながら、ここに帰ってきてしまった事自体、至極悔やむ。




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テーマ : 自作BL連載小説
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