スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

28.下戸エロ体質

けれども、それですっかり臍を曲げて悪態を付く由貴に、長澤は“ごめん! 俺が悪かった”と素直に何度も謝ってくる。
だから、すっかり怒りの矛先を失ってしまう。
子供っぽいと思っても、思われても、ただ押し黙って膨れる事しか出来ない。

「でも、これ以上西嶋に、無理させられないだろ?」
「・・・・・」
「現に、立てないんじゃないのか?」
などと、またしても由貴の心配を焼き始める。

「たっ、立てなくても、良いの!! そんな誠実なところに惚れたのは俺だけど、長澤っっ。長澤は、もっと欲持てよっ!! 俺は無理しても・・、良いんだからっ・・・・」
だが、その由貴の台詞に、即座に思いもよらぬ反論が返ってくる。

「西嶋? 俺は別に欲だってあるし、それ程誠実な男じゃない!!」
「だけど、飲ませれば簡単に犯れたのに、しなかっただろ?」
「そりゃ、俺だって考えなかった訳じゃない! だけど、俺にももっと大きな欲があったんだ」

アレ以外の・・、”大きな欲”とは何なのか?
由貴はえっと驚く。
「その大きな欲って・・・?」

それは、”心”!!!

そう言わんばかりに、長澤は自らの胸の辺りをポンポンと叩いて示す。
その仕草が気障っぽくならないあたり、どこか二枚目っぽいようなこの長澤の誠実さ所以なのだろう。何だか温かみさえ感じる。

「西嶋? 俺は素面のお前に振り向いて欲しくて、必死だったんだ!! だから・・・」
「だから・・?」
「そんな事して、体だけ手に入れても、意味がないって・・・。身も心もなんて、エゴの塊だろ?」
長澤はそこら中の女の子を悩殺してしまいそうな、気さくで小気味良い笑みを浮かべる。

欲も何もって・・・・・。

「そんなの・・・。エ、エゴな筈、あるわけないだろっ!! ふ、普通っていうか・・・・。常識だろ!! 体ばっかりのヤツなんて・・、俺は好きになれないっ!!」
「なら・・・、良かった」

長澤がほっとしたように、また顔中に華々しい笑みを貼り付かせる。
本当の事を言って、由貴に呆れられるとでも思っていたのだろうか?
だが、騙されるようにして、その特異体質を利用されてきた由貴としては、何よりもの言葉だ!

「だけど、そんなの・・・・。いつから? 酒飲んだ俺に迫られて、いきなり“はい、そうですか!”とは、なかなかならないだろ?」

あの最初のHの後からは、由貴も長澤を過剰に意識するようになって、長澤のそんな思いを薄々と勘付いてはいたけれど、果たして接点が少なかった由貴を思うきっかけとなったのは何であったのか、知りたいところだ。

「いや、実は西嶋が建築に異動してきた時から、気になっていたんだ。その・・、変な意味じゃなくて、やけに西嶋と交友を持ちたいなって・・・」
「でも、それがどうしてそうなるんだよっ!!」
「そりゃ、俺もはじめは・・・・。自分はノーマルだと思っていたから、単に同僚以上・・。いや、友人くらいには・・・・・。深い繋がりが出来れば、良いなって・・。その、同年代だし、取りあえずは自分でも軽く考えてたんだ!!」
「そりゃ、普通は・・・・」
”だろ?”とばかりに、長澤は大きく頷き同調する。

「だから、西嶋にはじめて飲みに誘われた時、普段は面倒そうな女の子絡みの飲み会はいかないんだが、西嶋が行くんならと思って参加を決めたんだ!」
振り返ってみれば、確かに!! あの時、”長澤が参加するなんて珍しいな”などと、思った事を思い出す。

「それが、あのアクシデントで・・・・。西嶋がちょっと変わった特異体質だと聞かされて・・・。靄が晴れるように、”この思いは別物なんだ”とはっきりと自覚したんだ!!」
「えっ・・、その時に・・・?」
長澤が頷く。

「西嶋を他のヤツのところに・・・。みすみす抱かれに行かすなんて、絶対に嫌だと思ったんだ!何とか阻止して、あわよくば俺とにして欲しいって!!! でも、それって・・・、普通じゃないだろ?」

確かに、”自分と”というのは、飛躍した考えだ。
よくよく考えれば、普通じゃない!
だが、あの時の由貴は、厳密に言えば”正常”ではなかったから、正しい判断は出来なかった。それでも、一応男同士というのがマイノリティであるから、至極責任を感じていた長澤を余程正義感の強い主なのくらいだろうと思い込んだ。

とはいえ、改めて!! そればかりではなかったんだと知る。

「でも・・、あんな場でいきなり・・・・。長澤は、良くそんな自分に折り合いを付けられたよな? 俺なんて・・、ずっと悩んだっていうのに・・・・・」

長澤も余程興奮しているのか、血気盛んにも由貴の顔すぐ近くまで顔を近づけてくる。
「そんなの!! 一も二も・・・。なんせ、西嶋は極限ともいえるような逼迫した事態だったんだ!!! あの場で迷ってたら・・・・。他のヤツのところへ、さっさと行っていただろ? だけど、俺はそれをどうしても許せなかったんだ!!」




 /  / 初回 / 総合目次

いつも読んで下さり、ありがとうございます!
よろしければ応援ポチリして頂けるとうれしいです
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

ばけもぐ

Author:ばけもぐ
隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
尚、誹謗中傷、未成年の閲覧、画像の無断転用はご遠慮願います。


本館(当ブログ)目次↓
dreamtripbana.jpg
分館目次↓
dreamtripbana.jpg
twitter↓
@bakemogu53

ランキング参加しています!
よろしければ応援お願いします!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
人気ブログランキングへ


現在の閲覧者数:


おすすめトラコミ&サーチ
にほんブログ村 トラコミュ ボーイズラブへ
ボーイズラブ
にほんブログ村 トラコミュ BLイラスト・漫画・小説何でも書いちゃう!へ
BLイラスト・漫画・小説何でも書いちゃう!
にほんブログ村 トラコミュ 小説15禁・18禁(性描写あり)へ
小説15禁・18禁(性描写あり)

最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新コメント
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。