スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

42.隣人(ラス2)

「・・・行かなくて良い。というか、行くなっ!!」
「でも・・・」
「気にするな! アイツら、単に今のお前の顔を拝みたいだけだから!!」
「えっ?」
「そうだよ・・。アイツら昔から“ジャ○ーズ事務所にも、余裕で入れるよね!”とか言って、お前のファンだから・・・。会わせたくないんだ!!」

高は苛立ちを隠し切れない様子で告げる。どうやら姉達相手に本気で妬いているようだ。

「分かったか? 今回のことだって、棚ボタくらいに思ってるんだ!! 大体からして、姉貴は今のところは旦那の姓を取りあえず名乗っているけど、旦那が男ばっかりの四人兄弟の三番目な上に、俺の身持ちがなかなか固まらないからって、もとから改姓して家を継ぐつもりだったんだ!!」
確かに一般的に見ても稀に、一度男性の方に籍を入れても、後に婿として自分の方の籍に入れ直すケースはある。

「だから、元々俺の結婚相手なんて、どうでも良いと思っていたところに、大和がっていうんだから、そりゃ・・。棚ボタだろっ!!!」
「・・・・」

高は思い出す内に姉達への怒りが沸々と込み上げてきたのか、放つ言葉は血気盛んだ。しかも、声音もどんどん低いものとなっていく。
大和は高の剣幕に大いに圧倒されはしていたが、何よりもその思いも依らぬ内容の数々に啞然として、言葉を失う。

「終いには、”アンタのその骨抜き具合からすると、さぞや進化系美青年になってるんでしょうねっ!! だったら、連れて来なかったら、本当に承知しないわよ!!”って・・。ドスの効いた声で脅しやがって・・・。誰が見せてやるかっ!!」
高も止まらなくなってしまったのか、大和そっちのけで姉の罵倒に執心する。

「でも・・、それなら何て答えてきたんだ? まさか本当に喧嘩してきたわけじゃないんだろ?」
「・・・だからっ。んーーーっ!」
“やっぱり喧嘩したのか?”と思っていると、高は至極罰な悪そうな顔付きで白状し出す。

「“確かに手に負えない魔物美青年に成長しているけど、だからこそお前らには何がなんでも会わせられない!”って言ってやった!!」
えっ・・・・。手に負えない? 魔物?
よもや自分の事をそんな風に言われているとは、思いも依らない。これを聞いては、どんどんと引きつってくる頬を抑えられない。

「・・・大和? 怒ったか?」
「怒って・・、ないけど・・・」
「・・そうか?」

急に高の勢いが弱くなる。大和を窺うように、柄にもなく大きな体を小さくさせている。
まったく、人を何だと・・・・・。
でも、何を言ったところで、仕方がない。小さなため息を吐く。

「でも・・。そしたら“罰金”とばかりに、俺は散々金をむしり取られたんだ・・。守銭奴だろ・・?」
「それは散々だったね!」

本当に、一体いくら支払ったのだか・・・。

とはいえ、そんな罰金程度で、快く大和を迎え入れてくれたお姉さん達には、有難くて頭が上がらない。
そして、高にはより感謝してもし尽くせないくらいだ。おかげで肩の荷は半分下りた。

まだ表立ってはなかなか感謝の意を表せないものの、そんな思いが現れた大和の軽やかな笑顔に、高はそれを察してくれたようだ。
高もにっこりとした笑みを返してくると、照れ隠しなのか「だが、俺も本当に格好悪いよな・・・。大和が手に入った嬉しさのあまりに、いろいろ張り切っちゃってさっ」などとぼやく。

それが心底幸せだと思えるのだから、自分の方こそ相当焼きが回っているようで、恥ずかしい。
けれども、もちろん! それはまだ高には伏せている。しばしの秘密だ!

そして、大和は今! 就寝までの時間をベットに俯せになり、その時の事を思い出しては、感謝の意を込めてそっと高の名を呟く。
「高・・・」
視線を手元に落とすと、左薬指には、部屋の照明に照らされた指輪がキラリと光っている。

大和の二つ目の宝物・・・。

プロポーズの言葉と共に、高から貰ったあの誓いのリングだ。
台座に大きい宝石が載っている華々しい指輪ではないが、同性である自分を思って選んでくれたその指輪の輝きは、大和にとっては眩し過ぎるくらいだ。
ここに存在しているだけでも、“奇跡”に思える。

だが、この指にはそれだけではなく、もうすぐ二つ目のリングが嵌められる予定となっているのだ。
それこそ・・、マリッジリング!!
先日、出先で・・・。いや、高にとっては”ついで”を装ってはいても、端からそれが目的のお出かけだったのかもしれない。
何気なしに入った宝石店で、二人してそれを注文してきたのだ。

高は自分の両親に自分達の関係を明かすだけでなく、ここでも強い誓いの意志を態度に示してくれたのだ!

だから、それが手元に届いた時には、まさに”結婚”・・・。いわば、高とは”事実婚”の関係になる。
大和のために高の両親に掛け合い、実質的なけじめまでつけてもらえて、大和にとっては本当にもったいないくらいの事だった。

だが、高の”けじめ”は、それだけに留まらなかった。




次(最終回) /  / 初回 / 総合目次

いつも読んで下さり、ありがとうございます!
よろしければ応援ポチリして頂けるとうれしいです
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

ばけもぐ

Author:ばけもぐ
隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
拙い作品ですが、楽しんでいって下さい。
尚、誹謗中傷、未成年の閲覧、画像の無断転用はご遠慮願います。


本館(当ブログ)目次↓
dreamtripbana.jpg
分館目次↓
dreamtripbana.jpg
twitter↓
@bakemogu53

ランキング参加しています!
よろしければ応援お願いします!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
人気ブログランキングへ


現在の閲覧者数:


おすすめトラコミ&サーチ
にほんブログ村 トラコミュ ボーイズラブへ
ボーイズラブ
にほんブログ村 トラコミュ BLイラスト・漫画・小説何でも書いちゃう!へ
BLイラスト・漫画・小説何でも書いちゃう!
にほんブログ村 トラコミュ 小説15禁・18禁(性描写あり)へ
小説15禁・18禁(性描写あり)

最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新コメント
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。