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21.晴れ男さん、雨男さん

表面的には対抗ばかりしていたというのに、精神的にはその存在にいつしか寄り掛かろうとしていたのかもしれない。
ぎょっと驚く。
だが、そうと言うならば、それはどういう事を意味するというのか?

もう少し考えを詰めてみれば、自分の深層に隠された事への結論も容易に引き出せそうな気がする。
だが、思わずその先にあるだろう事実を突き詰める事が本能的に怖くなり、敢えて深く考えるのを雨男は止めてしまった。

とはいえ、建設的に、この窮地に立ち向かうために、自分の出来得る事を考えなくてはならない! 何か救いなる手立てが、残っているかもしれない!!!
雨男はチームの再興に向けて、再び頭を悩ませる。
だが、これといってぱっとした事柄は何も出てこない。もし自分に出来るとしたら、やはり!

今更ながら、上司に掛け合ってみる事だ!

もちろん! あの苦情を貰った直ぐは頑なだった上司も、ほとばおりが冷めた今なら、少しは聞く耳を持って対応してくれるかもしれないという微かな期待を持ってだ!
確かに、時が充分にあの事を緩和して、既にある程度有耶無耶にさせてくれている。今なら、このナーバスな問題も触れやすいに違いなかった。

ゆえに、雨男は重い腰を上げて、それをいざ行動に移してみた。

すると、思いの外・・・。いや、もともとは杞憂だったのかもしれない!
掛け合ってみれば、上司はやけにあっさりとその進言に耳を傾けてくれた! もちろん、実際にこのプロジェクトを動かしているメンバーの一人でもある雨男の熱意も伝わっての事かもしれない。
上司は雨男の話を受けて、共感した様子で口を開く。

「いや、天野君の事は私も非常に残念でね・・。先方がそうしてくれと言ってきているから仕方がないのだが、実のところは今まで天野君は核となって行動してきてくれていたから、このまま引き続きこのプロジェクトを一緒に盛り上げていって欲しいところだ!」
この上司もプロジェクトメンバーの気持ちを理解し汲んではいてくれていたのだ。ただ、取引先との間に挟まれて、苦しいところなのかもしれない。

やはり現状として、晴れ男の復帰は難しいのだろう。

何も表舞台に立たなくとも、陰でこのプロジェクトを支える事は出来るかもしれないが、もし先方に晴れ男が噛んでいると知れれば、立つ瀬がない!
上司としても、晴れ男をプロジェクトからすっぱりと外しているのは、そんな苦渋の決断の上に立っての事なのだ。
それは分かり切った上での進言とはいえ、上司の想いを確かめられた事はプロジェクトチームにとって大きい。低迷していた士気も上がるに違いない!

「それにしても、はじめはギクシャクとばかりしていたチームも、今では固い絆が生まれているようだな!」
上司は“そうか、そうか”と微笑ましい表情で頷く。そして、何かを思いついたとばかりに、その表情をはっと替えて、両手を仰々しくポンと突く。

「とはいえ、そうだな! 私から、もう一度相手先に詫びを入れておく事にしようじゃないかっ!! どんな行き違いがあったのかは、実際そこにいた身ではないから私は詳しく知らないが、向こうでも今は案外落ち着いて、あの時はちょっとした語弊が生まれただけなのだと、思い直してくれるかもしれない! うちとしても、このプロジェクトに天野君の存在は必要不可欠だからね! もし許しを頂けるというなら、越した事はないというものだよ!!」

そんな上手く許しがもらえるかどうかは分からないか、もう一度先方に掛け合ってくれるという上司の気持ちは嬉しかった。

「それにしても、お前達良いコンビになってきたな?」
上司が最期に何気なく呟いた言葉にぎょっとする。
しかも、それが特別な意味合いではない事はしかと分かっているというのに、何故か必要以上に照れては恥じ入る。

だから、自分のその想定外の反応に、戸惑い、焦る・・・。

ちょ、ちょっと待てっ!!これじゃぁ、まるで・・・・。
だが、だからと言って、そうは簡単にアブノーマルの道へのハードルは乗り越えられない。あれは雨男にとって、ちょっとばかりではなく高い過ぎるものだ!

それに、忘れてならない事に、雨男は“石橋を叩いて渡るタイプの男”だった!
だから、そのハードルも、雨男から見れば普通の者よりも一段と不必要に高く感じられてならないのだった。
それに、晴れ男はどっちでも良いではなく、どちらかといえば雨男を抱きたいと言ってきているのだ! 相当な覚悟があっての事ではないと、とてもじゃないが乗り越えられそうにない事柄なのだった。

だから、雨男は上司の元を退出したと同時に、はぁ~~~と深いため息を付く。
俺は、本当に・・・。どうすれば、良いんだ?
雨続きな事は至極喜ばしくないものの、あのハードルを越えるにも相当に高くて難しい。かといって、そんな晴れ男に“No.”だと、決定打を打つ気にもなれなかった。
雨男の心も、この空模様同様暗く曇り、幾度となく葛藤させては、悩み続けるのだった。

   * * *




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テーマ : 自作BL連載小説
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