23.晴れ男さん、雨男さん

ん・・・? ぎょっ!!
いや、待てよ・・・。今! 俺は、何と思った?
抱かれても・・、良いって?
ならば、俺も晴れ男が好きという事なのか???
“晴れ男(アイツ)に抱かれてしまっても、良い!“って思えるくらい、俺は”晴れ男の事が好きだ!“という事なのか?

その至った結論に、雨男は呆然とする。

だが、雨男はいつまでもただ茫然としているわけではなかった。
というのも、雨男は良いにつけ悪いにつけ、前向きに開き直る事が出来るという素晴らしい性格を持っていた。
当然、この逆境ばかりのマイノリティな世界に於いてもそうだ! 一度飛び込んでしまいさえすれば、雨男は開き直って生きて行けるだけの強さがあるのだ。
ただ悩んでいたのは、晴れ男を恋愛対象として見れるかどうか、受け入れられるかどうかという事だけだった。

とはいえ、腹を括ったとはいえ、その決断が鈍ってしまわない内に行動に移さなければ、そんな雨男だとしても揺らいでしまいかねなかった。

ゆえに、珍しくも即行動に移す事にした!

だが、その行動力は、それはれこそこの数か月で晴れ男に影響されて、変わった点でもあった!
そうなのだ! 雨男は決して叩いてからでないとあの石橋でさえ渡る事のないタイプだったのだ! こんな衝動的な行動を取ろうとするなんて、雨男を知る者の目からみれば、相当に大きな変化だった。

何やかんやと言いつつも、あれ程対極的で馴染まなさそうだった二人が融合し、感化し合ったという事だ。
そうでなければ、このハードルを一っ跳びに乗り越えようなんて真似は出来ないに違いない。

そして、そんなふうに知らず知らずのうちに影響を受けるくらいなのだから、もはや晴れ男とは赤の他人とは言い切れなかった。

雨男は一人意気込んで、“帰りに話があるから“と、未だ意気消沈とする晴れ男を呼び出した!
もちろん、こんな話題! とてもその辺の飲み屋で大ぴらに話せる内容でもない。それに、何となく軽くは扱いたくはなかった。

だから、狭くて何にもない家とはいえ、呼び出した手前もあって晴れ男を自宅に招待する事にした。
もちろん! そんな無防備過ぎる雨男に対して、晴れ男は怯むでは躊躇いをみせた。
だが、こうと決め、一切の迷いがなくなった雨男は、そんな晴れ男にも一向に構いやしなかった。

そうして半ば強引に晴れ男を家まで連れてい来ると、中へと招き入れる。
そして、いつぞやのようにローテブルを挟んで向かい合って座ると、あの浄水で煎れたお茶を二つ、その上にちょこんと出しては、気を落ち着けた。

だが、まったりと一息付けたのは、雨男だけだったようだ。

「お前・・・。分かってるのか? こんな都合の良いところに、二人きりなって!! その・・・・。俺に・・、襲われても、何も文句はいえないんだぞ!!!」
晴れ男は雨男にそう言うばかりか、必死に心の中の自分にも言い聞かせては、理性と本能の狭間で闘う。

まったく・・。本当に、無防備なっっ。絶対に分かってないな?
俺は何度一人妄想して、雨男(オマエ)を犯したか分からないんだぞ!!
ったく・・。そんな男と、二人っきりでなんて・・。
今、お前は、危険過ぎる事をやってるんだぞ!!!
そんなに・・、俺を信用するな! 大丈夫だなんて、高を括って安心するな・・。

雨男に信頼してもらえているのは、はっきり言って至極嬉しい事なのだが、自信がないからこそ、その分辛かった。
しかも、久々に間近で目にする雨男の姿は霞が掛かって見える程美しく感じる。だから、不用意にいやと晴れ男の理性を揺さ振ってくる。
思わず、不謹慎にも今にも前がふっくらと膨らんできそうな勢いだった。
それなのにだ!

「別に大丈夫だ!」

晴れ男の心配を余所に、雨男の口からそんな脈絡もない言葉が堂々と返ってくる。
だから、俺をそんなに信用するなっ!!
その根拠のない自信に、頭を抱替えたくなる。
だが、晴れ男が反論の声を上げようと口を開き掛けるのを遮るようにして、雨男が更に気持ちが不安定になってしまいそうな事を続けて言ってくる。

「だから、大丈夫なんだ! 今から、お前にこの前の告白の返事をするんだから!!!」
「この前の返事をか・・・・・」
晴れ男は困惑する。
その結果次第で、不安定となった自分を制御しきれるのかどうかが、不安だ。
蒼白となった晴れ男は、頬の筋肉を引きつらせる。

これは・・、どうせ悪い方にしか解釈していないな・・・・。

晴れ男の心中を察した雨男が、ふぅっと軽いため息を一つ吐き掛ける。
確かに、誰でも面と向かって“No”と言われようものなら凹むし、答えを聞くのが怖いと思うのも、当たり前の事だ!
だが、雨男は晴れ男に“No”と返すつもりは、更々ない!

だが、そんな晴れ男の不安な心情を映してか、未だ降り止まない雨脚がより一層と強まる。
激しく道路を打ち付ける雨音が、部屋の中にいるというのに、いや良く聞こえてくる。
相当な降りようだ! もしかすれば、この一帯だけ“大雨洪水警報”が一時的に発令されていても、おかしくはないだろう。




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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
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