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25.晴れ男さん、雨男さん

専用ローションとコンドームのパッケージに、晴れ男は信じられないというように、顔全体でその驚きを表す。
だが、その後自らの方に戻ってきた晴れ男の視線が、食い入るようにまじまじと顔を見つめてきたものだから、雨男はもう憤死寸前だ!
顏どころか、首筋まで真っ赤に染まっている。

「だっ、だから、な・・? 俺だって、一応・・・。分かって言ってるんだ・・・・」

すると、今度は雨男がまだ言い終わらぬうちから、晴れ男は強い力でぎゅ~っと身体を抱きしめられる。
晴れ男の顏も今度こそは和やかに崩れ、そんな嬉しそうな様子に、雨男の心も温かくなる。

とはいえ、晴れ男にとっては余程嬉しい事だったのか、ついその力加減を誤り、絞め殺さんばかりにぎゅ~、ぎゅ~と、雨男の身体を腕の中へときつく閉じ込める。
そのあまりにもの諫めの苦しさに、雨男は目を白黒させる。

「ゲホっ! っ、ゲホっ! だっ、だっ、だっ、だけどな? ゲホっ! 俺は、その・・。ゲホっ! おっ、男とそういう事するのは・・、はっ、初めてだから!! だから・・・・・、ゲホっ!」
「分かってる・・。優しくする・・。大事にする・・・。誓う! ・・・・、ありがとう・・」

雨男も咽返っては、半ば何を言っているのか分からないくらいだったが、晴れ男の方も嬉しさで声が掠れてしまって、はっきりとした音にならない。
互いに至極聞き辛い会話ではあったが、晴れ男の誓いは十分に雨男の耳に届いたし、想いが叶った事への感謝の気持ちも十分伝わってきた。

そして、それで抱きつくばかりだった晴れ男が思い切ると、そのまま体重を掛けるようにして、雨男の体に伸し掛かってくる。
雨男といえど、さすがに男の・・、しかも自分より遥かに体格の良い晴れ男の体重は重く、なされるがまま後方へと倒れていった。
まだあの告白劇からは大した刻も経ってはいないというのに、もう二人の周の空気はアレに向けて暑苦しいばかりだった。

雨男は”晴れ男のその身も心も全て受け入れてやる”と言ったのは嘘ではないとばかりに、自分に覆い重なってきたその背中をポンポンと叩いては、寛大な包容力で晴れ男の全てを受け止めてやる。

すると、怒涛の様なキスの嵐が降ってきた!

しかも、今自分に降りかかっている晴れ男からのキスの嵐はこんなに激しいというのに、先程までこの辺りを激しく襲っていた局地的な豪雨方はいつの間にかパタリと止んでしまっている。
不思議なものだ! 晴れ男のパワーが、いつも通りに・・。いや、いつも以上に戻った証拠なのだろう?
だからして、今が夜だから見えはしないだろうが、それこそ先程の雨の名残として大きな虹の橋が、この夜空に美しく掛かっているに違いない!

「けど・・・・、んっ・・。あっ、天野・・・・・。んんっ・・、その・・。んっ! おっ、俺と付き合ったらぁん・・、もうお前の周りに“晴れの日”は・・、こなくなってしまうかも・・、しれないぞっ! ・・んっ」
何だが切れ切れとなってしまったものの、雨男が危惧していた一言をポツリと漏らす。

「はぁっ・・。晴れっ? ・・俺はっ、それで良い!!」
晴れ男は顔を上げると、雨男の顏を揺るぎない視線でマジマジと見つめてくる。
どうやら、その言葉に二言はないのだろう?
だが、そうした後で直ぐ、晴れ男の眉が心配そうに顰められる。

「どちらかというと・・。お前こそ、好きな“雨の日”は無くなってしまうかもしれない・・・・」
余りに真剣にそう告げてくるから、ぎょっとする。
晴れ男は雨男以上にそのお天気の事を心配してくれているようだ。

「天野・・。でも、好きな“雨の日”なって・・・。嫌いではないが、別に好きでもないから、大丈夫だ! ただ、今までずっと雨と付き合ってきたから、雨の日が落ち着くというだけの事だ!」
「そうか・・・。なら・・、良いが・・・・」
「そうだ! これから・・、変われば良いんだ!!」

本当の事をいえば、慣れ親しんだ“雨の日”が無くなるかもしれないのは、確かに寂しい。
だが、雨男はいつでも前向きだ! 自分を変えていく力もある!
自らの不安も、晴れ男のそれも、打ち消すようにしっかりと断言してやる!

「そうか・・? なら、その代り! お前が雨で今まで行けなかったようなところはどこへでも・・。俺が連れて行ってやる! もし可能というなら、行った先々で晴れ間も少しばかりは見せてやりたいしな・・・・」

まさかまさかのその通り! これからの人生において、野外行楽で晴れを体感する日がやってくるとは、この時の雨男はまだ知らない!
なんせ晴れ男の方が、雨男にベタ惚れしているのだ! どこへ出かけようと、二人っきりのデートともなれば、浮かれ過ぎたついでに“晴れパワー”も全開の、行楽日和となるのは間違いなかった。

そして、二人はそんな甘いばかりの恋人思いな会話を交わし合うと、至極幸せそうに微笑む。そして、もう一度お互いの気持ちを確かめ合うかのように、と深くて長々とした唇付けを“ブチュ~~っ!!”と交わすのだった。
ああ、御馳走様!




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テーマ : 自作BL連載小説
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