38.晴れ男さん、雨男さん(最終話)

「あんまり・・、お前が・・・。俺と付き合ってくれるようになってからというもの、割に合わない目ばかりに遭わせているなと・・、思ってさっ!! だから、その風邪! せめて俺に移せば、早く治るかなと、思ったんだよっ!! 悪かったなっ!」

なっ、何? たっ、確かに、お前には何やかんや言って身体を酷使されているし、ここ最近お前といるために俺にとっては超の付く湿度不足が続いている。それは、確かだ!
けれども、加湿不足というなら、俺が加湿器を買えば済む事じゃないかっ!

何が・・、“せめて俺に移せば”だって・・・?

・・・バカかっ! 本気でそんな事思っているのか?
そんな俺の不利まで・・。こんな風邪まで・・。お前は引き受けてくれると、言うのか?
たくっ! そんなだから・・・・・・・・。

俺はお前にベタ惚れされてるように、思えてならんのだろう?

本当に、俺のどこが良いんだっ!! ったく、どこが良いんだ?
お前はっっ! 本当にっっ・・・!!
困ったヤツだな・・・・・。

そんなふうに思っている事など知ってか知らないでが、晴れ男は雨男の制する腕を物ともせず、体重を掛けその身でぐいぐいと押して迫ってくる。
元々の体格差はもちろんの事! こんな風邪で体力を消耗した折ではでは、晴れ男の攻撃に耐えられなくなってしまうのも、時間の問題だ!

「おっ・・、おいっ!! やっ、やめろっ!! ひぃっ・・」
「だから、移せっ! 俺の性だし・・、遠慮なく移せ! なっ?」

ぐいぐいぐいと全体重を掛けて迫ってくる。
この病に弱った体では、とてもじゃないが歯が立たない! 押し負けて、呆気なくも再び唇をブチュリと塞がれてしまう!
「んんんんんっ・・」

なっ、なっ、なっ!!! 舌入れるなっ! 是非とも、遠慮するっ!

口腔内を不用意に掻き回されては、風邪を移すだけのキスに留まらなくなってくる。ふいにもやっとしたものを下肢に感じ、焦って慌てる。
おいっ、おいっ、おいっ! しゃ、洒落にならないっ!!
俺は淡泊な上に、風邪引いているんだぞっ! おいっ!
・・・・・こんな事があって良いのか?
分身が寝巻の布地をふっくらと押し上げているのが、自分でも分かる。
だが、それ以上に目に飛び込んできた晴れ男の事情に、どっと肝を冷やす。

不謹慎にも、晴れ男こそ思いっきり前を膨れさせている。

おいっ!
冷たい嫌な汗が熱っぽい背から吹き出し、雨男をより一層くらくらと弱らせる。
「やめっ・・、んんんっっ」

だが、そんな冷や汗以上に、汗を掻くような事が待っているのが、ありありと目に浮かぶのだから、恐ろしい・・。

「んっ・・、んっ・・」
はっ、離せ! 離せっ!! 俺を殺すきかっ!!
晴れ男の首根っこを引っ張っても、目で訴えても、全く効かない!
だが、それも当たり前だ! 熱で潤み、欲情を掻き立てられ潤みしていれば、その目力も普段の半分以下だ! いや、変に晴れ男を焚き付けてしまう事にしかならないのだから、逆効果だ。

もう! そのキスの性で、雨男の躰も晴れ男の躰も、取り返しの付かない状態になっていくばかりだ。

「んんんーーーっ!!」

ゆえに、雨男はその後泣く泣く流す羽目となった夥しい量の汗に、体内の悪しきものも一切合財流れ出て、すっかりと体の調子が良くなっていくのだった。
これぞ、まさに怪我の功名! たとえ身体はヘロヘロとなろうが、大いにこの粗治療が大いに効いたのだった。
だが、無茶な男はどうだったかといえば・・・。

仲のよろしい事に、晴れ男もその雨男の風邪を見事にもらっていた。

自業自得とはいえ、さすがに可愛そうに思った雨男は晴れ男の元を訪ねてみるが、当の本人は辛そうにしているどころか、やけにデレデレと嬉しそうにしている。至極、気持ち悪い。
もしかして、熱で頭がおかしくなってしまったのか?
そんな心配まで過る。
だが、何の事はない! 本人がその訳をポロリと吐露する。

「間接キスではなく、これぞ! “間接風邪”かっっ。お前の中で目一杯楽しく過ごした風邪菌達が、今俺の中にいたりするんだよな~~~~~、これがっ!!」
「・・・・・」

思わずドン引きしてしまう。
そ、そんなに・・、風邪を媒介に共有出来た事が嬉しいのか?
お前はっっ。何で、そんなに俺が良くなってしまったんだ??????

とはいえ、そんな過剰な溺愛ぶりが、嬉しくない訳はない!

呆れながらも、密かに心をほこほこさせ、そんな晴れ男に感謝する。
だが、晴れ男と付き合うようになって、何よりも感謝している事がある!
それは野球観戦だ! この頃、ヤ◎ルトの本拠地“神◎球場”に行っても、雨で試合で中止になったり、途中の降雨で中止になる事はまずない。ゆえに、あの応援ミニ傘が、普通の雨傘に替わる事もない!

実に良いころ加減の曇り日和だ!

豪にとっては、本当に申し分のないデートだった!
もちろん、他の行楽でも然りだ! どこへ出かけても雨知らずなのだから、非常に有難い! 
それに、今まで自分では無理だと断念していた野外アクティビティ各種を、いろいろと経験する事が出来たのも嬉しい限りだ。

だから、それこそ今年は・・・。
いつもスキー行っても全く雪が無いという晴れ男のために一緒にスキー場に出向いて、お返しに全面滑走が出来る程の良い雪を降らせてやろうかと思う雨男だった。
もちろん、それは吹雪ばかり男だった雨男にも良い行楽となる事は間違いなかった!


   ・・・おしまい!





“最終話まで、ありがとうございました”と申したいところですが、先日報告しましたように、この後2回に渡ってSSがあります!
ですので、後書きにつきましては、その後にちょろりと付けたいと思います!

おまけSS①-1 /  / 初回 / 総合目次

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