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31.デベソな弱点

というのも、今まで守護神のように張り付いていた正善がいないとなると、梓にいやと隙が出来た!
だから、今まで正善の存在に遠慮していた男達が、一斉に動き出した。
しかも、梓が傷心となっている折に限って、梓好みのイケメン男達までもが、矢鱈と近づいてきた。

(お願いだから、今こそ放っておいてよっ!!)

梓は、受講する最終講義後に、自分の元に駆け寄ってくる男達を振り切って、キャンパスの外れにあるカフェテリアに足を運んだ。
日が暮れはじめている上、煩わしい男達に囲まれるかもしれないというのに、真っ直ぐ家に帰らなかったのには、一応理由がある。

というのも、今日の梓といえば、朝も昼も飴を舐めただけだ。腹に何かを入れなければ、本当にヤバいかもしれない。
そんな危機感に駆られて、カフェテリアへと立ち寄ったのだ。
なんせ家に帰っても、食事を作るどころか、取る気にさえなれないだろう。それなら、ここで強制的にでも、口に何かを放り込んでしまった方が、良いに違いない。

梓はふらふらとした足取りで店内に入ると、どの学部も本日の講義が大方終わった後だからか、カフェテリア内は小腹を空かせた学生達で賑わっていた。
中には部活帰りにそのまま立ち寄ったのか、サッカーユニフォームに野球ウェアー、剣道着にジャージといった運動着姿の学生も、ちらほらと見かけた。

この利用客の多さはもちろんの事、それに加え夕刻とあって、今晩の夕飯がわりに食事を取る者も多いのか、店内の品揃えはそんな生徒を見越して、軽食からガッツリ系まで実に充実していた。
菓子パンにサンドウィッチ、弁当。食券購入で、パスタ、ラーメン、どんぶりなど。ランチ時のように日替わり定食はないものの、手軽に食べられるメニューが揃っていた。

梓は自分の腹具合と相談し、口に詰め込みやすそうな山菜うどんと飲み物を購入した。そして、奥にある窓際の席へと腰かけた。
すると、男がまた、梓の元へ直ぐさまやってくる。こっそり静かに食事しようと思っていたのに、落ち着かない。
しかも、やってきた男は、無遠慮に梓の隣に腰掛けてきた。
無視すらもさせてもらえそうにない・・。

それに、その無遠慮な男は、梓も良く知る学内で有名なイケメン男の“丹羽”だった!

「梓、久しぶり?」
「っ!!!」

思わず、嫌悪感が込み上げる。
今に始まった事ではないが、丹羽の馴れ馴れしさには参る。梓とはそんなに親しい間柄でもないのに、初対面の時から勝手に下の名前で呼んでくるから手に負えない。
丹羽特有の人との距離感なのかもしれないが、これで”特別”だと勘違いしてしまう女の子も、実に多いだろう。
現に、梓も当初は、危うく勘違いしそうになった口だ。

とはいえ、いくら勘違いしたところで、デベソを抱える上に、始終正善とツルんでいた梓には関係ない。
それこそ、丹羽と言葉を交わす事自体、久しい事だ。

けれども、この丹羽だが、入学当初は本当に梓へのアプローチが凄かった。
毎日のように、梓を見つけると、丹羽の方から声を掛けてきた。今思うと、それは相当あからさまなモーションだったのだと思う。

というのも、丹羽とは同じ学部といえど、何百人も生徒がいるような大所帯だ。講義一つ取ってみても、常時100人程の生徒が受講しているのだから、敢えて関わろうとしなければ、面識すら出来ないのが普通だ! 
だから、そんな大勢の内から梓の姿を見つけ出し、尚且つ声を掛けてきたというのは、多かれ少なかれ丹羽に下心があったからなのだろう。そうでなければ、そんな面倒な事はしない。

そういう梓も、その当時、無類のイケメン好きとしては、満更じゃなかった。

けれども、梓は“デベソ”という深刻なコンプレックスを抱えているのだから、簡単には丹羽の誘いに乗れなかった。たとえ学食や遊びに誘うような軽い程度のものだったとしても、泣く泣くその機会を棒に振り続けた。

だが、モテる男は違う。
自身も引く手数多なら、いくらでも他をあたれるだけの器量があるのだから、いつまでもそんな脈のない者には捕らわれてはいなかった。身持ちの堅いヤツなんか要らないとばかりに、あっという間にターゲットを替えて、梓の元から離れて行った。

とはいえ、梓の方は密かに丹羽のような男が好きだったから、その後も遠くから慕い続けた。
それこそ、正善と関わり合うようになるまでずっと・・。
丹羽なんて、今では目の端にも映らない存在になってしまったが、そうはもう健気な慕いようだった。

そんな丹羽が、今になってどうして俺にまた・・。




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