執着番外SS3-1/2(侠耶×利通)

今回は番外編といっても、サブカプの香山×マルのお話ではなく、本編カプの侠耶×利通のお話です!
本編では、なかなか見られない、利通達のほのぼのとした様子をお楽しみ下さい!!

さて、このお話ですが、時間軸で言うと、本編でどの辺りになるかと申しますと…。
明確には、難しいところです!
ですが、侠耶に刺青を入れられ、別宅通いになって、しばらく経っての事です!
だから、今の接待の場面よりも、前の事かもしれません!
いや、もしかすると、その後の事かもしれません!!
ですが、一応、二人がラブになる前のお話です!

そして、皆様にとっても、このSSが一息付けるものになると、良いなと思います!
ではでは、本文へGo!
   ↓↓↓




3.侠耶の猫

侠耶は猫を飼っている。ロシアンブルーという猫だ。
グレーの毛並みをした、しなやかで美しい猫だ。
本物(利通)には分からぬ事だが、その凛とした姿が実に利通に良く似ている。

とはいえ、侠耶もその猫を利通に見立てて、その代用物として飼おうと思ったわけではない。

いや、少しでも、そういう気持ちがなかったかと言えばウソだ。だが、この猫が大層気に入ったからだというのは、間違いない!!
そう、柄にもなく、知人のところにいた猫(コイツ)を一目見て、後ろ髪惹かれる程の離れ難さを感じたのだ。

侠耶の周りには、宝石、食料、血統書付き動物から、保護動物の密売・違法物の輸入といったちょっとヤバいブツに至るまでの、多種多様な物流を扱う知人が幾人かいる。
だが、この猫に関しては、そうした知人が“商品として”取り扱っていたものではない。
侠耶同様、表向きは水島商事という貿易会社を営む水島組の水島怜二が、輸入雑貨を仕入れた際に、ひょんな経緯から自分の元へ連れ帰る羽目になった猫だという。
それを“どうしても”と頼み込んで、譲り受けてきたのだ。
だが、そんな細かい事情は、利通には知らせていない。

とはいえ、侠耶は今までこの猫に、どれ程癒されてきた事か・・。
当の想い人が遠く手の届かないところにいようと、この猫を見ていさえすれば、その報われる事のない侘しい心の隙間も、多少埋める事が出来た。

たとえ、この猫が全く侠耶に懐かなくてもだ!!

いや、懐かないからこそ、この猫に“利通の面影”を見い出せたのかもしれない。
今日も、この猫(コイツ)は、ご主人様が帰宅したというのに、我関せず・・。お気に入りの窓際のソファーで(こいつの定位置だ!)、目を糸のように細くして眠っている。

「ふんっ・・」

侠耶は、元気そうな猫の姿を確かめると、その反対側のソファーに、長い脚を投げ出した。

   * * *

利通が、侠耶の本宅である錦織組の屋敷よりも、この自宅マンションに連れて来られるようになって、随分と経つ。
未だに週末を侠耶と過ごす事は慣れないが、多少は他愛無い会話も出来るようにはなってきた。

利通は、何気なしに窓際のソファーを眺める。その拍子に、この家の主が如く、我が物顔で寝そべっている飼い猫の姿を捉える。
すると、自身でも驚く事に、ずっと気になっていた疑問を、侠耶にぶつけていた。

「お前が、こんな生き物を飼っているなんてな・・。どういう風の吹き回しだ?」
「ふん、そうだな・・・。お前も、意外に思うか?」
「・・・・・」

それを問われたら、面と向かっては答えられないものの、100人中、99人。・・侠耶を知る者のほとんどが、“意外だ”と感じるに違いない。
こんな一般からかけ離れた男が・・。いや、人間の血など通っていそうにもない冷徹な男が、 “動物を飼う”という極一般的な愛溢れる行いをするなんて、想像も出来ないだろう。

それ程、侠耶に似せぬ事だった。

「・・ふん、利通! どうしてなのか、聞きたいか?」
(そりゃ、聞きたい!)

「・・・・何でだ?」
「ふん、こいつは、しなやかで美しく、警戒心の強い奴だ! しかも、飼い主の俺にすら、さっぱりと靡かない」
「靡かない・・」
「そうだ! どんなに可愛がってやっても、懐かない。もちろん、俺だけじゃなく、舎弟達全てにだ!」
「・・・・・」
「”気位の高い”ばかりの猫だ!!」

そりゃ、侠耶や強面の舎弟達に懐かなくても・・。
あの目のクルリとした丸井という青年でも、ダメなのだろうか?
侠耶が“気位の高い”と表現するだけあって、この猫は気難しい性質であるようだ。

「・・・そう。だが、それがどうした! それが、飼った理由か?」
「ふん、“どうした”か・・。だから、俺はそんなところが、どこかの誰かに似ていると思ってな? それで、気に入ったんだ!!」
「どこの誰か・・・。っ!!!」
「そうだ! 分かるだろ、利通!!」
「・・・・・」
「だから、知人に無理を言って、譲り受けたんんだ!!」

“懐かないから、気に入った!”
相変わらず、わけの分からん男だ! この感覚は付いていけない。
だが、利通(ジブン)に対しても、“お前は、強くて、凛とした美しさがあるから、手折りたくなる”と言った男だ!
“侠耶らしい”理由だと言えば、言えなくもないのかもしれない。

(だが、俺に似ているだと!!!)

相変わらず・・。そんな想いを匂わす事だけは言う!!
とはいえ、侠耶はあの“事実”を知らない・・。
この猫は、懐かない事も、靡かない事もない!

利通(オレ)には、ちゃんと懐いている!!

猫は気分屋だから、“必ず”とは言えないが、近頃では侠耶が席を外した途端、利通の足に絡み付いてきて、至極甘えた素振りをする。
もしかしたら、その場に侠耶さえ居なかったなら、利通以外にも懐くのかもしれない。

だから、決して侠耶が思っているような、“すました猫”じゃない!

極端に、人見知りが強いだけなのだ。
だから、侠耶はこの猫が利通(オレ)に似ていると言ったが、似ているというなら、むしろ・・。

侠耶に似ている! 取りあえず、“利通限定”というところが、そっくりだ。

だが、この事は、侠耶には内緒にしておいた方が良さそうだ。
恐らく、この猫にとって、これは侠耶に秘密の隠し事なのだろう。
それに、当の本人、侠耶こそが、それを知らない方が幸せであるに違いない。

「・・そう、そんな事!!」

利通が気のない返事を返したため、そんな侠耶の秘話も、そこで途切れてしまった。

   * * *




先日、ブロ友の美月さん(月読ノ館・別扉)の小説『恋する夢のゆくえ』(別扉)に、こちらの侠耶を使って頂きました!
という事で、その水島怜二さんと侠耶は、深い親交がある事が分かりました!!

それで、元々企画していたこちらのSS(関連;本編43(R))に、乗る形でこの関係を織り込みまして(元々侠耶の猫は知人から譲り受けた設定でしたので、怜二さんと仲が良いというのなら、その知人というのが怜二さんというのが、自然な流れかなとも思いましたので…)、美月さんとのコラボ作となりました!

それにしても、私! こういった小説コラボはお初でして…。しかも、そんな事をさせて頂けるとは思っていなかったので、とても光栄で嬉しいです!
ですので、皆さまにもちょっとしたキャラ同士のつながりを楽しんで頂けると、良いなと思います!!

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