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75.執着

あの接待の後も、”逢瀬”という名目の拘束は続いている。週末となれば、否が応でも侠耶に抱かれる刻がやってくる。
既に蔓延化したこれにも、侠耶は飽く事がない。
だが、当然だ! 侠耶は、心から利通を求めているのだから、そんな事など起こりえない。

だから、利通の中でも、すっかりこれが “仕方がない事”として 定着している。

それに、先日はあんなに辛かったのだ。もう二度と、侠耶に盾は付きたくない。
だから、一時は意地を張って、侠耶を頼りにしまいとした取引も、侠耶の意に背いてまで、己を貫き通そうとは思わない。あの辛さを鑑みれば、その好意を大人しく受ける以外、思い浮かばなかった。

しかも、侠耶は利通を送り届けた折の帰り間際、口約束だが、あの契約を即決でポンと確約してくれたのだ。

「利通、お前が関わるというのなら、その信頼をお前に置いて、この件をお前の社に任せよう!!」
利通の面子をも立てて、侠耶はそう言ってくれた。
“女”だからじゃない!
そう取れる、その一言が、利通には大きかった。

とはいえ、あの仁科が侠耶の元へと話を通した時点で、おそらく悪くはない話だという判断も付いていたのだろう。利通も、それは一応、分かっている。
けれども、一男として、侠耶に”認められる”事は、やはり嬉しいものだった。

とは言っても、民営ギャンブルを主軸にアミューズメント施設などを展開する侠耶の社が持つ店舗全てを、視野に入れた取引となれば、相当な数なのだから、それは大事だ。
確かに、それで侠耶から預かった店舗数は、半端ではなかった。
それをポンと二つ返事で決めたのだから、侠耶も相当大胆な采配をする。

だが、その辺抜かりのない男だから、釘を刺す事も忘れはしなかった。
「その分、そちらも十分に勉強してもらおう!! 良いな、あのヘボ営業にも伝えておけっ!」と・・。
だから、これから侠耶が提示するシビアな要求にも、利通達はその都度応えていかなければならないだろう。

とはいえ、これ程の大口契約をモノに出来たのには、二人の営業努力も去る事ながら、侠耶が自分達に厚い信頼と共に、大きな”期待”を置いてくれたからだ。
だから、自分達は、その期待に応えて、十分なサービスを提供をしていく努力が、やはり必要だ。

そんなわけで、今回も思い通りには事が運ばず、未だに不服に感ずるところもあるのだが、契約自体はとんとん拍子で進んでいった。

だから、あの箸にも棒にも引っ掛からない野崎が、まさかの大金星を上げてきたという事で、上司をはじめ課内外の同僚達が大喜びしたという。その評価も、格段に上がった筈だ。
もちろん、あの契約は元々野崎主体で開拓したものだったが、利通の存在の有る無しは大きく、野崎同様、利通の株も大きく上がる事となった。

そして、その野崎なのだが・・。

・・・あんな世界があるなんて
・・・また機会があるっていうのなら、あの人に・・、抱かれたい

そう語った野崎は、やはり私生活も変わらざるを得なかったようだ。
どうやら、その後も仁科とは仕事以上の関係が続いているようで、利通も”そのまま仁科に好いように遊ばれて、ズタボロにならなければ良いが”と、少々心配している。
とはいえ、野崎も大人である以上、プライベートで起きた事は自己責任だ。甘い目を見ようが、痛い目をみようが、本人が決めた事なら、それで良いのかもしれない。

そして、利通といい、野崎といい、仕事にプライベートが混在していると言われそうだが、人脈も実力の一つだと言う侠耶の考えが正しいのなら、そうであっても、取りあえずのところは問題ないのかもしれない。

そんな風に、一連の契約劇が一段落した折、利通が帰宅しようと会社から出たところ、またしても黒塗りの車が1台、その脇を車体に触れ合う程擦れ擦れに通り過ぎていった。
「・・・・」
思わず、息を呑んだ。

明らかに、この俺を・・、付け狙っている・・。

実は、ここ最近利通の周りで同様の事が何度か起こっていた。人間、一度ならず二度あれば、“もしや?“などと勘ぐるが、数回に渡って起こりうるものなら、それはもはや仮定ではなく確信だ!
とはいえ、そうだからといって、別に大事に至ったわけではない。
侠耶が遣わせた見張りが、常に利通に張り付き、それとなく陰から警護しているからだろう。それが牽制となって、そのならず者達が容易に近付けないでいるのに違いない。

とはいえ、近頃、明らかにその見張りの数も増えたように感じる。

彼らは、一般からはその筋の者だと分からぬよう、極普通の服装をしていた。
だから、本宅で顔を見たくらいの朧げな記憶しかない利通には、果たしてどれくらいの人数が自分のために遣わされているのか、はっきりとは分からなかった。
だが、ここ最近ガードが強化されたのは、紛れもない事実なのだろう。
だから今では、もしかしてと勘ぐっているだけだったこの不穏さも、直ぐにでも足元を掬われかねない確かなものに思えた。

だが、こんなにはっきりとした変化が起こっているというのに、侠耶は利通に一切詳しい事を語ろうとしない。
利通が堅気である以上、下手に語って、自らの昏い世界に巻き込まないとしての事なのだろうか? それとも、余計な心配をさせまいと思っての事なのだろうか?

事情を知らされぬまま、不安だけが募っていく。




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テーマ : 自作BL連載小説
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隠れ腐女。オリジナルのBL小説を創作しています。
傾向;男臭い/強気受け多し。切ない系~爆笑系。リーマンもの、体先行型多し。ハピエン。
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